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大怪我3日後に五輪金、薬物依存から打点王…絶望から復活した選手達

絶望から見事に復帰したアスリートたちも多い(写真はヘルマン・マイヤー/共同通信社)

絶望から見事に復帰したアスリートたちも多い(写真はヘルマン・マイヤー/共同通信社)

 全世界に衝撃を与えたタイガー・ウッズ(45)の大事故。7月の東京五輪出場はおろか、選手生命さえ危ぶまれているが、絶望から見事な復活を遂げたアスリートは多く存在する。

 野球界には、深刻なケガを抱えながら活躍を続けた選手がいる。元広島カープのサブマリン投手・金城基泰(68)だ。入団4年目の1974年に20勝を挙げて最多勝投手になったが、そのオフに悲劇が襲う。オーバーホールのために滞在していた大分・湯布院で交通事故に巻き込まれたのだ。本人が当時を振り返る。

「助手席にいた私は飛び散ったフロントガラスの破片で顔面血だらけになりました。病院で検査すると両目とも角膜を損傷していた。朝起きても、明るいだけで何も見えない。絶望感しかありませんでした。後で医師に聞いた話では、球団オーナーから『野球は無理でも、社会復帰できるようにしてやってほしい』と言われたそうです」

 6か月半の入院生活を経ても、視力は戻らなかった。装着すると強い痛みを伴う特殊なコンタクトレンズを入れなければ、すりガラス越しのようにしか見えない状態だった。右目だけではサインも見えず、距離感もつかみにくかったという。それでも8月には戦列に戻った。その頃、広島は球団創設26年目にして初優勝のチャンスを迎えていた。

「力はピークの7割ぐらいでしたが、気持ちで投げた。嬉しかったのは、相手チームのファンも声援を送ってくれたことでしたね」(金城)

 優勝を決めた巨人戦で金城は胴上げ投手になった。1977年に南海へトレードされ、1979年と1980年には最優秀救援投手のタイトルを獲得する活躍をみせた。

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