日韓コラボドラマ『DREAM STAGE』(番組公式HPより)
K-POPや韓国ドラマなど、韓国発のコンテンツには大ヒットするものが少なくない。その一方で、日韓コラボドラマでは低迷する作品も多い。今クールでは『DREAM STAGE』(TBS系)と『キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~』(テレビ東京系)が放送されているが、苦戦を強いられている。その背景についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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ここ数年、韓国の制作会社と共同制作し、韓国人の俳優やスタッフを起用したドラマがかなり増えています。主なものだけでも、『Eye Love You』(2024年、TBS系)、『初恋DOGs』(2025年、TBS系)、『魔物』(2025年、テレビ朝日系)、『匿名の恋人たち』(2025年、Netflix)などが放送・配信されました。
また、今年はチ・チャンウクさんと今田美桜さんがダブル主演を務める『メリーベリーラブ』(日本テレビ系、ディズニープラス)、磯村勇斗さんとテギョンさんがダブル主演を務める『ソウルメイト』(Netflix)などの放送・配信が予定されています。
さらに今冬も『DREAM STAGE』(TBS系、金曜22時)と『キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~』(テレビ東京系、月曜23時6分)が放送。前者はK-POPの世界を描いた物語でTBSにとっては「日本ドラマの世界進出を目指した3年越しの大規模プロジェクト」。後者は赤楚衛二さんとカン・へウォンさんによるテレ東では珍しい正統派ラブストーリーです。
しかし、どちらも局をあげた力作であるにもかかわらず、ここまで視聴率、動画配信数、TVerのお気に入り登録数などで低迷しているほか、あまり話題になっていません。それぞれどんな狙いがあり、なぜ苦戦しているのか。引いては、韓国とのコラボドラマはなぜ苦戦が続いているのかなどを掘り下げていきます。
K-POPファンをドラマに集める難しさ
『DREAM STAGE』はホームページの“はじめに”に書かれたリード文に「世界のトレンドをけん引し、音楽シーンを席巻するK-POPの世界」と書かれていたように世界配信を意識した作品。ただ、国内での視聴率や配信再生数はもちろん重要なだけに、中村倫也さんや池田エライザさんら人気俳優を起用したほか、「K-POP版“スポ根”ドラマ」という日本人になじみのあるコンセプトが選ばれています。
一方、『キンパとおにぎり』は大学駅伝を挫折して以降アルバイト生活を送る長谷大河(赤楚衛二)と、韓国から留学中の大学院生パク・リン(カン・へウォン)のラブストーリー。文化や価値観の違いに戸惑いながらも引かれ合うピュアでひたむきな姿で引きつけようという狙いが見て取れます。
しかし、『DREAM STAGE』は事実上の主役であるNAZE(ネイズ)はまだデビュー前のグループであり、序盤は視聴者の興味を引きつけるまでに至っていない感があります。さらに、そもそもK-POPのグループは好き嫌いが分かれやすい上に、K-POPのファンですら「音楽番組ではなくドラマを見るか」と言えば簡単ではないでしょう。
ネット上のコメントを見る限り、同作はK-POPファンと韓国ドラマファン両方から不満の声があがっているところに難しさが感じられます。今後の焦点は「NAZEが徐々に成長していく姿を見せることでファンを獲得していけるか」でしょう。
また、『キンパとおにぎり』は昨年、『財閥復讐』『夫よ、死んでくれないか』『レプリカ 元妻の復讐』『シナントロープ』が放送されたテレ東きっての過激&ダークサイドなドラマ枠での放送だけに、真逆の純愛がはじまって視聴者層とのミスマッチが起きている感があります。
ピュアなラブストーリーは「2人にどんな“枷”を用意するか」で感情移入のレベルが変わるため、今後の鍵は日韓の文化や価値観の違いをどれだけドラマティックに見せられるか。日韓の俳優によるラブストーリーは多くても、これほど純愛レベルの高い作品は希少だけに、悲劇性を高めることで熱狂につながりそうなムードも漂っています。
