(時事通信フォト)

2000年3月に英王室を離脱。現在の拠点はアメリカ(時事通信フォト)

 身分の高い者は公に尽くすべきだという「ノブレス・オブリージュ」の精神は、階級社会が色濃く残るイギリスに古くから根ざすものだ。だが、そうした考え方は、世界的に見れば“時代遅れ”とも捉えられかねない。

「伝統だけに縛られるのはおかしいし、差別という“闇”は積極的に告発していくべき。そうした考えは、若い世代を中心に、いまや世界のスタンダードです。その観点ならば、正義はメーガン妃にあります。アメリカには“告発者”であるメーガン妃を称えるムードすらあります。夫妻は完全にアメリカ世論を味方につけました」(前出・木村さん)

“告発者”が世論を味方につけるという、今回の構図。それは、日本の皇室にとって、決して対岸の火事ではない。

小室さんが“正義”になる

「英王室は日本の皇室同様、国民の税金で生活が支えられている部分があります。だからこそ権威や品位が求められ、伝統としきたりが重んじられる。それゆえ、英王室の熱心な支持者の中には、伝統に鑑み“英王室には白人がふさわしい”と考える人がいるのも事実です」(別の国際ジャーナリスト)

 多くの日本人は「白人しか王族になれない」ことに違和感を抱き、「それはおかしい」と思うのではないか。それでは、これはどうか。

「男性しか天皇になれない」
「男性しか結婚後に皇室に残れない」

 多くの日本人は当たり前のことだと感じているが、世界では違和感を抱かれ、「それはおかしい」と思われている。

「2016年3月、国連女子差別撤廃委員会は皇室典範の見直しを求めました。男系男子の皇族のみに皇位継承権があることが、女性差別だと見られたからです。日本政府が抗議したことで勧告は見送られましたが、国際社会に“日本は女性差別を是正する気がない”という印象を与えたことは否めないでしょう」(別の皇室ジャーナリスト)

 現行の制度では、皇位継承権があるのは男系男子だけ。それどころか、女性皇族は結婚後には皇族の身分を離れるものとされ、「皇族であり続ける権利」もない。そうした“皇室の伝統”は、アメリカではどう受け止められるだろうか。

「眞子さまと結婚しようとしている小室さんがこの先、日本で国民の祝福を受けることは難しいでしょう。そういう意味では、イギリスで嫌われたメーガン妃と近い。しかし、メーガン妃はアメリカで“悲劇のヒロイン”になりました。米移住して9か月で約330億円の収入を得たという報道もあります。

 小室さんがメーガン妃の身の振り方を見て、“アメリカでならヒーローになれる”と考えるのは自然なことでしょう。メーガン妃が英王室内での人種差別を告発したように、小室さんが日本の皇室内に女性差別があるとアメリカで告発すれば、小室さんは“正義”です。それで潮目はガラリと変わるのではないでしょうか」(前出・別の皇室ジャーナリスト)

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