国内

緊張感無き「宣言解除」リバウンド回避には「脱馴化」が必要

(写真:共同通信社

第4波襲来の声も聞かれるが…(写真/共同通信社)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、3月21日で解除されることが決定した緊急事態宣言について。

 * * *
 首都圏1都3県に発令されていた緊急事態宣言が解除されることとなった。菅義偉首相は3月17日、期限の21日に全面解除する方針を表明、その理由を感染者や病床使用率の数字が解除の方向に入っているためと述べた。だが、その顔色は悪く表情は冴えなかった。

 きっと首相自身が一番そう思いたい、そうなって欲しいと願っているのだろう、ぶら下がり取材の言動を見てそう感じた。「なぜここで」という記者の問い掛けに、「なぜというよりも」とそれが妥当な判断だとして説明した。相手を納得させるというより、証拠を示して分らかせようとしたかった、そんな印象を受けた。

「解除してリバウンドは防ぐことは可能か」と質問されると、「あの~」と一拍間を置いたが、「緊急事態を宣言してから現実的に(感染者数は)8割下がってきている」と語気を強めた。淡々とした表情で、手振りもほとんどないまま終了することが多い菅首相だが、この時は珍しく左手を上げて下がっていることを強調、大きく頷きながら言葉を続けた。

 だが、感染者数は下げ止まるどころかリバウンドをし始めており、17日の東京では新たに409人の感染が確認され、1か月ぶりに400人を上回った。FNNプライムオンラインは解除の理由について、「宣言をこれ以上延長しても効果が薄れるだけ」「ここで解除しなければ、いつまでも解除できない」とする政府関係者の話を伝えているが、おそらくこれが政府の本音だろう。

 コロナ疲れに自粛疲れ、緊急事態宣言への慣れ、気の緩み。3月に入り人々の間に流れているのはそんな空気だ。

関連記事

トピックス

今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・イメージ 写真はいずれも当該の店舗、販売されている味噌汁ではありません)
《「すき家」ネズミ混入味噌汁その後》「また同じようなトラブルが起きるのでは…」と現役クルーが懸念する理由 広報担当者は「売上は前年を上回る水準で推移」と回答
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン