ビジネス

郊外の新築マンション市場低迷 デベロッパーが開発に及び腰になる理由

コロナ禍のマンション販売低迷はリーマンショック並みか

コロナ禍のマンション販売低迷はリーマンショック並みか

 コロナ禍によってマンション販売はリーマンショック以来の不振に陥っている。今後“在庫処分”の値引き物件も多数出てくると予想されるが、その動きはすでに都心部への通勤圏内である郊外エリアで起きている。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、冷え込みつつある郊外マンション市場の現状をレポートする。

 * * *
 マンション市場で今、ひそやかな異変が起きている。新型コロナ感染拡大の影響で、凍り付いているマーケットエリアがあるのだ。

 それは首都圏でいえば、千葉県の京葉・東葛エリアや埼玉県の埼京線、京浜東北線沿線エリア、神奈川県では田園都市線の川崎以西エリアなど、都心に1時間程度で行ける通勤圏内の郊外エリアだ。大阪でいえば千里ニュータウンなどが挙げられる。いずれも年収が500万円から700万円台の30代、あるいは40代前半の方が購入層のボリュームゾーンになっているエリアだ。

 そのあたりで販売されている3000万円台から5000万円までの新築マンションが、フリーズしたように売れなくなっているのだ。なぜか? もちろん、それは新型コロナの影響である。

 2020年の日本のGDP速報値はマイナス4.8%と発表された。上場企業の2021年3月期の決算は、全体の約3分の2の企業が減収減益となり、中には赤字になるケースも大量に発生すると予測されている。

 もちろん、従業員へ支払われる給与や賞与にもマイナスの影響が表れるだろう。そうでなくてもテレワークによって残業や休日出勤、賞与などが減って、年収ベースで所得減になったサラリーマンが大量に発生している。

 彼らを主なターゲットとする郊外の新築マンションの販売が不振に陥っても、何の不思議もない。

 あまり目立った報道はされていないが、不況は足元までヒタヒタと迫ってきているのだ。今後、雇用調整助成金などが打ち切りとなると失業者が大量に発生することになるだろう。そうなれば日本社会の不況感は一気に深まることになる。まさに、コロナ不況の到来である。

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン