郊外マンションはリーマンショック以来の販売不振

 マンションデベロッパーたちも、郊外型のマンション開発に及び腰になっている。

 2020年12月から2021年3月までの間に、神奈川県内で新たに市場デビューした200戸規模以上の大規模マンションはたったの1物件。それも、土地の仕込みはおそらく今から12年以上前と想像される物件であった。訴訟沙汰などいろいろあって12年もの間「塩漬け」されていた物件が、何とか出てきたというケースだ。ここ1年以内にマンション用地として仕込まれたプロジェクトではない。

 さらに言えば、現状で神奈川県内で販売中の23物件の大規模マンションのうち、12物件が値引きを行っている様子がうかがえる。

 大都市郊外のマンション市場は2008年のリーマンショック以来の販売不振期を迎えているのだ。売り主各社は今後、値引きなどによって在庫の処分を急ぐと予測できる。

 売れ残った物件をまとめて他の業者に販売価格の6割程度で転売する動きも、一部で見られるようになった。これはリーマンショック直後の2009年当時にはよくあった現象である。市場が不振に陥る原因は異なるが、そこで見られる外見的な現象は似通ってくる。

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