鮮やかな「赤」のユニフォームに込めた想い
聖カタリナのユニフォームは、高校野球では珍しい鮮やかな赤を基調にしている。これは越智自身が選んだものだ。
チームカラーにはこだわりがあった。交流のあった春江工業(福井)の川村忠義監督から、「色は大事やぞ」とアドバイスされたのがきっかけだった。2013年にセンバツに初出場した春江工は、ウインドブレーカーの眩いオレンジ色が強烈な印象を与えていた。越智は言う。
「せっかくチームの立ち上げからやれるのだし、伝統がない分、ありきたりな雰囲気でやったらダメ。これからずっと続いていく、チームのイメージを表す色にしたかったんで」
当初は早稲田の臙脂(えんじ)を用いたかったが、地元の名門・松山商業とかぶってしまう。ならば、「相手を飲み込んでしまうような強い色」と赤を選んだ。そしてチームスタイルは、宇和島東と同じ打って勝つ攻撃野球。緻密な野球を展開するチームが多い四国で、経験がない分、1点取られたら3点取り返せばいいんだ、と。そうやって、相手を力でねじ伏せる野球で甲子園にやって来た。
初戦の相手は優勝候補にも挙げられている東海大菅生(東京)。それでも、聖カタリナには何かしでかしそうな雰囲気が漂う。
聖カタリナが四国大会を勝ち上がりセンバツ出場を決めた時、石川県の新聞がそれを伝えたという。石川には今も越智を応援する人は多い。宇和島東、早大時代のチームメイトたち。第二の故郷・石川の人々。みな、越智の監督としての甲子園初陣に注目している。
試合は3月24日。プロ野球は開幕直前だが、和田や鳥谷も、この日ばかりはこちらが気になって仕方がないはずだ。