スポーツ

ここ2年は荒れ模様の高松宮記念 妙味ある穴馬探しのポイント

予想しがいのあるレース

予想しがいのあるレース

 いよいよ春のGIシリーズ開幕する。高松宮記念は馬券的にも面白いレースになりそうだ。競馬ライターの東田和美氏が分析した。

 * * *
 この時期に行なわれるようになってからの21回で馬連万馬券は4回。うち20回は3着以内に4番人気までの馬が2頭は絡んでいる。17回は単勝払戻金が1000円未満で、4番人気馬までがコンスタントに結果を出している――そう聞けば、堅く収まりそうだが、時代が変わってその傾向にも変化が見え始めている。

 昨年勝った9番人気モズスーパーフレアの単勝32.3倍というのは、GⅠになってからの25年でも最も人気薄。それまでは1999年マサラッキの18.6倍(8番人気)が最高オッズ。しかも昨年最初にゴール板前を駆け抜けたのは、15番人気のクリノガウディー(4着降着)。そのまま確定していれば、馬連は8万1700円、3連単は176万5260円だった。

 そして一昨年は勝ち馬こそ3番人気馬だったが、2着セイウンコウセイが12番人気、3着ショウナンアンセムが17番人気で3連単が449万円。この時期になって初めて馬券圏内に4番人気までの馬が1頭しか絡まなかった。この2頭が6年前の同じレースでデビューしていて8着と12着だったというのは有名な話である。

 つまりここ2年は荒れ模様だ。

 今年上位人気が予想されるレシステンシアは、前走で快勝した時の鞍上が異国へ旅立ち、この馬で結果を出しているレジェンドの騎乗も実現せず、外枠にゲートインすることになった。ダノンスマッシュはスプリント適性抜群だが、昨年12月の香港以来のレースで馬場状態への不安が囁かれている。マイルなら主役のインディチャンプは1400mのここ2戦でもう一つ弾けておらず、さらなる距離短縮がどうなのか。

 ならば穴馬探しのほうに妙味がある。

 今年初戦となる4歳牝馬マルターズディオサは、チューリップ賞で逃げるレシステンシアを早めに射程圏内に捉え、直線であっさり突き放すなど、トライアルを2つ勝ちながら3冠レースでは結果が出なかった。3歳戦が終わってからは、短距離に照準を定め前走阪神カップで2着。目標はヴィクトリアマイルということで、ここでは距離短縮がカギだが、田辺騎手は確実に手の内に入れている。

 その阪神カップを勝ったダノンファンタジーも2000mのGⅡを勝っており、古馬になってからは1600~1800mでもう一つ弾けなかったが、1400mに距離を縮めて結果を出した。初めての1200mとなった前走阪急杯では出遅れながらも徐々に差を詰め、直線では馬込を縫って33秒9で差してきた。阪神カップの時の鞍上に戻って態勢は万全。3年も前のことになるが、デビュー戦ではグランアレグリアの2着だった。

 もう1頭、前走シルクロードSで1番人気ながら17着に沈んだモズスーパーフレア。ダートJCBスプリント以来のレースで鞍上乗り替わりのうえ、開催10日目で内が荒れていたことから、得意のコース取りで逃げることができなかった。レシステンシアとの兼ね合いが気になるが、こちらの方は外連味なく逃げる。もちろん逃げ馬は前走の大敗を次に生かす術を知っている。

関連記事

トピックス

会見で出場辞退を発表した広陵高校・堀正和校長
《海外でも”いじめスキャンダル”と波紋》広陵高校「説明会で質問なし」に見え隠れする「進路問題」 ”監督の思し召し”が進学先まで左右する強豪校の実態「有力大学の推薦枠は完全な椅子取りゲーム」 
NEWSポストセブン
起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)
新体操フェアリージャパンのパワハラ問題 日本体操協会「第三者機関による評価報告」が“非公表”の不可解 スポーツ庁も「一般論として外部への公表をするよう示してきた」と指摘
NEWSポストセブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
代理人・バレロ氏(右)には大谷翔平も信頼を寄せている(時事通信フォト)
大谷翔平が巻き込まれた「豪華ハワイ別荘」訴訟トラブル ビッグビジネスに走る代理人・バレロ氏の“魂胆”と大谷が“絶大なる信頼”を置く理由
週刊ポスト
大臣としての資質が問われる(写真/共同通信社)
三原じゅん子・こども政策担当相が暴力団とゴルフ写真の“反社疑惑”にダンマリの理由「官邸は三原氏のことなど構っていられない」
週刊ポスト
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
NEWSポストセブン