「最近、手数が長くなってきたんです。前は100手~120手ほどで決着がついていたのに、藤井二冠や永瀬拓矢王座の棋譜を見ても、ずっと厳しい手を指しているのに150手や160手かかったりします。あっさり簡潔に終わる競技だと思っていましたけれど、どうもそうじゃない可能性が出てきたことに、たいへん興味があります。
将棋の美しさは、長い歴史をかけて、すごく精巧に精密に作られているところ。その美しさを、また感じています。今は藤井二冠の存在に憧れて、そこからまた強い若者が出てくるのが楽しみです。歴史は繰り返すのかなと思います」
◆羽生善治(はぶ・よしはる)/1970年9月27日、埼玉県生まれ。将棋界初の全冠同時制覇を達成した唯一の棋士(1996年、当時は7冠)。タイトル獲得合計99期(歴代1位)、通算優勝回数152回(歴代1位)、対局料ランキング首位23回(歴代1位)などの記録を持つ。2018年に国民栄誉賞を受賞。趣味はチェスで日本トップクラスの強さ。好きな駒は銀。