とはいえ、「リラックスさせて本音を引き出す」というのは、全てのトークバラエティが意識していることのはずだ。その中で、なぜ『あちこちオードリー』は、本音トークを引き出すことに成功しているのだろうか? テレビウォッチャーでコラムニストの飲用てれび氏は、若林正恭と春日俊彰、オードリーのふたりのバランスに着目する。

「若林は当初、『アメトーーク!』(テレビ朝日)の『人見知り芸人』企画などで注目を集め、華やかなテレビの世界への馴染めなさを語っていました。人見知りは解消されたようですが、その後もテレビや芸能活動、あるいは世間一般への違和感は引き続き口にしています。

 その違和感を言語化する力は、同世代の芸人の中でも随一でしょう。違和感を自分の中で咀嚼し言語化してきた若林なら、テレビでは伝わりにくい話も受け止め、理解し、面白く展開してくれる——。番組に来たゲストが他ではあまり口にしない胸の内を語っているとしたら、彼へのそんな信頼がひとつの理由かもしれません。

 対する春日は、他人への関心をあまり示さない男。自身の内面について主体的に語ることもほとんどありません。時に複雑になる若林とゲストの話には、そんな春日からの『考えすぎだろ』といったストレートなツッコミが心地いい。ふたりのバランスの良さも、ゲストが話しやすい雰囲気を作っているのではないでしょうか」

 若林と春日の絶妙なバランスは、プライム帯という「戦うしかない時間帯」でも通用するか。『あちこちオードリー』に対して、視聴者からは「長寿番組になってほしい」と望む声が相次いでいる。

◆取材・文/原田イチボ(HEW)

関連記事

トピックス

羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
入社辞退者が続出しているいなば食品(HPより)
「礼を尽くさないと」いなば食品の社長は入社辞退者に“謝罪行脚”、担当者が明かした「怪文書リリース」が生まれた背景
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
入社辞退者が続出しているいなば食品(HPより)
いなば食品、入社辞退者が憤る内定後の『一般職採用です』告知「ボロ家」よりも許せなかったこと「待遇わからず」「想定していた働き方と全然違う」
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン