『オードリー・ヘプバーン映画祭』のイベントに登場したトリンドル玲奈

トリンドル玲奈も引っ張りだこ

 つまり、機転が利く20代バラドルは、「さまざまなテーマを扱う生放送の情報番組に対応できる貴重なタレント」ということ。たとえば、「今やバラエティに欠かせない池田美優さんや朝日奈央さんのスキルは情報番組でも十分通用するはず」と期待されての起用なのです。

 また、もう1つ見逃せないのは、男性芸人のコメンテーターが増えすぎて、視聴者から批判されがちになっていたこと。近年、新たなコメンテーターが発表されるたびに、「また芸人か……」「もう芸人はいらない」などの声が飛ぶようになっていましたが、かと言って専門家ばかりでは画面が地味で、コメントも硬く難しいものに偏ってしまいます。

 そこで番組に華を添え、テーマを円滑に回す上で最適な存在が20代バラドル。彼女たちはビジュアル面での華に加えて、「あまり知らない」というキャラクターを担い、視聴者目線で驚き、納得し、感動することのできるバイプレーヤーなのです。

バラエティ系はインフルエンサーを起用

 実は平日帯番組への20代バラドル起用は、前述したニュース色の濃い情報番組だけでなく、情報バラエティも同様。実際、今春から、『ラヴィット!』に23歳の日向坂46・加藤史帆さん、22歳のTikToker・景井ひなさん、21歳のモデル・横田真悠さん、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)に20歳のモデル・久間田琳加さんと18歳のモデル・生見愛瑠さんが起用されています。

 注目すべきはバラエティ色の濃い情報番組ほど、さらに若い20歳前後の女性タレントを起用していること。各番組の制作サイドが、若さゆえの失敗やコメントの不安を恐れず、積極的に起用しているのです。これは単純に、彼女たちを支持する同世代や年下世代に番組を見てもらうための策であり、だからバラドルというより10・20代のインフルエンサーを起用しているのでしょう。

 最後にもう1つ例として挙げておきたいのは、4月3日スタートの情報バラエティ『ゼロイチ』(日本テレビ系)。土曜昼に放送されるこの新番組にも、MCに28歳の指原莉乃さん、レギュラー出演者に25歳の松丸亮吾さん、進行役に24歳の石川みなみアナが起用されているのです。約3時間生放送の大型番組であり、平日だけでなく土日にも20代起用の波が押し寄せていることがわかるのではないでしょうか。

 2010年代は視聴者の高齢化が問題視されつつも、視聴率確保の観点から対策を打てずにいたテレビ業界が、2020年代に入っていよいよ視聴者層の若返りに着手しはじめました。20代バラドルのコメンテーター起用は、その入り口に過ぎず、今後はMCや専門家などにも広がっていきそうなムードが漂いはじめています。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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