新侍従長の別所氏(時事通信フォト)
支えるはずの存在が絶望に落とした
振り返ると、両陛下は皇太子同妃時代から、側近との「コミュニケーション不足」を指摘されてきた。
「当時皇太子だった陛下は2004年、雅子さまに対する『人格否定』があったと述べられました。すると、皇太子ご夫妻を支える東宮職の長である東宮大夫は、ご夫妻との意思疎通について“そこまで理解できるまでになっていなかった”とコミュニケーション不足を認めました。その前任者も口癖は“オク(ご一家のプライベートを指す)のことはわかりません”でしたから、ご一家との間には少なからず距離感があったのでしょう」(皇室ジャーナリスト)
当時、両陛下にとって、身近に心を許せる存在がどれだけいたのだろうか。
「それ以前は、何十年も務め上げ、皇族方が信頼できる側近もいたといいます。ですが、当時は数年単位での交代が珍しくなく、心おきなく相談できる相手の不在を招いていた。人格否定発言の前後には“皇太子さまと東宮職の間には溝があった”ともいわれました。そうした関係性が、雅子さまの体調に悪い影響を及ぼしているのではないかとまでいわれたのです」(前出・皇室ジャーナリスト)
さらに、周囲の心無い発言が、雅子さまを追いつめていった。
「皇室という慣れない環境に身を投じられ、ただでさえストレスフルな生活を強いられた雅子さまを、“お世継ぎ”のプレッシャーが襲いました。愛子さまを出産された後の2003年には当時の湯浅利夫宮内庁長官が、『皇室の将来を考えると、秋篠宮さまに3人目を希望したい』と発言。本来、雅子さまを支えて然るべき立場である宮内庁トップの発言に、雅子さまが悩まれたことは想像に難くありません」(別の皇室ジャーナリスト)
しかし、そんな中で頼れるのは陛下だけ。陛下による「人格否定発言」はその翌年のことだった。
「湯浅長官は“発言の真意を伺いたい”と陛下への面会を求めましたが、実現しませんでした」(別の皇室記者)
天皇陛下や雅子さまを支えるべき存在との間に見えた「溝」。だが、それは長い時を経て、ようやく解決へと向かっている。
※女性セブン2021年4月22日号
ご一家と宮内庁とのすきま風は幾度も報じられてきた(2020年12月、東京・港区=宮内庁提供)
“雅子妃はスター”と報じられたほどにご活躍(2019年5月、東京・千代田区=宮内庁提供)