想定していたシナリオが狂った菅首相は更なる逆風に見舞われている。
政権の命運を決める北海道、長野、広島の“衆参トリプル補選”(4月25日投開票)で劣勢に立たされているからだ。
トリプル補選のうち、鶏卵汚職で辞職した吉川貴盛・元農水相の後継を決める衆院北海道2区補選は不戦敗、コロナで急死した立憲民主党の羽田雄一郎・元国交相の参院長野補選は劣勢と見られている。選挙買収事件で当選無効となった河井案里氏の参院広島選挙区の再選挙でも、野党推薦新人がリードし、自民新人が劣勢に立たされている。
トリプル補選全敗となれば、与党内に「菅首相では総選挙は戦えない」との声が強まり、解散どころではなくなる。
※週刊ポスト2021年4月30日号