アイドルから脱皮した…!(時事通信フォト)
小田氏が続ける。
「AKB在籍中は『私が恋愛できない理由』(2011年、フジテレビ系)で『私、バージンなの』と言うセリフがあるなど、アイドルとしての存在感を買われていた印象もありましたが、ここ数年は『東京タラレバ娘』で不倫する役を演じたり、『スカーレット』では野菜かごを担ぐたくましい関西のおばちゃんを演じたりと、アイドルイメージが抜けてきました」
大島が30歳近くなって花開いたのは、2014年にAKB48を卒業してからアイドルのイメージが抜けきるまで、数年の時間を要したということなのかもしれない。小田氏は、大島のさらなる伸びしろに期待している。
「ただ、アンサンブルのひとりでは、大島さんのポテンシャルが活かしきれていない感はあって、2020年公開の映画『生きちゃった』で石井裕也監督が『パワーの放出の仕方に若干戸惑っているんじゃないか』とその点を見抜き、濡れ場も死ぬシーンもある高いハードルを課したのはさすがだと思います。ドラマでも、そういった底力を見せられる役柄にキャスティングしてもらえるといいと思います。
新ドラマ『ネメシス』(日本テレビ系)ではスピード狂の医師ということで、キャラは立っているよう。いっそラスボス的な真犯人だったというぐらいの落差もほしいですね」
4月11日スタートの広瀬すず×櫻井翔のW主演ドラマ『ネメシス』で、大島は、ハンドルを握ると人格が変わるほどのスピード狂の医者・上原黄以子役を演じている。彼女の新たな当たり役となるか注目だ。
今春からはミニストップとキリンビール「ホワイトホース」の2本のCMでイメージキャラクターを担当している。グループ卒業から数年経って女優としても本格ブレイクを迎えつつある印象の大島。この堅実な歩みこそが、彼女がしっかりとした地力の持ち主である証拠と言えそうだ。
◆取材・文/原田イチボ(HEW)