舛添氏は厚労相時代に特定の民放番組には出なかった(共同)

舛添氏は厚労相時代に特定の民放番組には出なかった(共同)

 好ましくはないけど、平時ならば知事がおちゃらけてバラエティー番組やワイドショーに出ても有害ではありませんが、戦時中にそんなことをすれば危機管理が問われます。東シナ海で軍事衝突が起きているさなかに、統合幕僚長がワイドショーに出ていたら国民はどう思いますか? そんな暇があったらちゃんと戦えと思うでしょう。政治家だって同じだし、コロナは戦争ですよ。

 政治に対するテレビの影響力が強くなりすぎましたね。政治家はテレビに出て人気を稼ぎたい、テレビのほうも視聴率が取れるから人気の政治家を出演させたい。だけど、それで稼いでいたらテレビは政治家の批判はできなくなります。これは大阪だけの問題とは思いませんが、メディアの機能を放棄しているテレビ局が大阪の悲劇を招いた面もあります。もちろん、それに踊らされる有権者も反省しなければなりません。

 人気取りのために緊急事態宣言をいち早く解除してこうなってしまったのだから、まずはその間違いを認めて、ヨーロッパのように徹底したロックダウンをする段階に来ていると思います。それでもヨーロッパで不満が出ないのは、しっかりとした補償をしているからです。大阪も東京も、ここは借金してでも同じようにしてコロナを抑え込まなければならない。テレビでウケるかではなく、本当に実効性のある政策を考えてもらいたい。

 皮肉なことですが、大阪の危機で、ようやくポピュリズム政治、テレビ政治の問題点が国民にも見えてきたのではないでしょうか。

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