国内

吉村知事は自民党と経済界を優先して大阪をボロボロにした

いよいよ医療崩壊の崖っぷちに(時事)

いよいよ医療崩壊の崖っぷちに(時事)

 緊急事態宣言が延長されても、大阪の危機的状況は変わらない。日々のニュースでは新規感染者の数が強調されるが、問題は医療崩壊だ。すでに入院患者をはるかに上回る「入院調整中」の患者、すなわち入院しなければならないのにできていない患者がおり、感染者全体に占める入院患者は約1割しかいない。つまり、大多数の患者が発症しても入院できず、入院が必要だとされても病床が空くのを待つしかない状態が続いている。入院を待ちながら自宅や滞在場所で亡くなる悲劇も後を絶たない。

 吉村洋文・知事は、緊急事態宣言が出ている4都府県でもいち早く宣言延長を求めたように、その危機を認識はしている。しかし、2回目の宣言を1週間早く解除するよう要請したのも吉村氏であり、即断即決が良くも悪くも働いている。『週刊ポスト』(5月10日発売号)では、大阪の事業者や市民の窮状と不安を現地からリポートしているが、なぜ吉村氏はあんなにも判断が軽いのか、右往左往して間違いを繰り返すのか、かつて読売新聞大阪本社で活躍したジャーナリスト・大谷昭宏氏に、その「政治的生い立ち」から解説してもらった。

 * * *
 吉村さんは、まず即刻、連日のテレビ出演をやめて、一人でも死者を減らすことに全力で取り組んでもらいたい。『ミヤネ屋』の視聴率も下がっているというが、この状況では府民はテレビで吉村さんを見たいわけではないからです。視聴率が取れるからと吉村さんを呼ぶような番組からは視聴者が離れています。いま呼ぶなら学者や医者でしょう。それがあるべき報道の姿です。

 これは吉村さんだけではありませんが、1年前の感染拡大以降、経済を優先するような発言をした政治家は土下座して国民に詫びるべきです。西村康稔・経済再生担当大臣はじめ、頭を丸めなければならない政治家はたくさんいます。学者も医者も、当初から経済を回しながら太刀打ちできるようなウイルスじゃないんだとさんざん言ってきた。諸外国ではそれがわかっているから政治家は厳しい感染防止措置を取りました。しかし、日本ではカネに目のくらんだ政治家たちが、「Go Toトラベル」までやって感染を広げてしまった。

 吉村さんもその一人です。だから、まず府民に対してカネのことを口にしたのは間違いだったと謝るべきです。カネの話をする政治家は、とかく居酒屋さんや飲食店が大変だからと言うのですが、それは嘘です。大阪でも東京でも、居酒屋さんで経済が回っているわけではないからです。経済全体から見れば小さな産業です。本当は、自民党を支える経済界からの要請があり、自民党の補完勢力である維新の吉村さんも、自民党と歩調を合わせるために経済を優先しようとしているのでしょう。違うというなら、居酒屋さんに負担を強いるのと同じように、本当はテレワークができるはずなのに普段通りに営業している8割の企業に罰則をかけるべきです。自民党を支える経済団体にも物が言えるなら、そちらのほうが感染防止につながります。

関連記事

トピックス

高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年、第27回参議委員議員選挙で使用した日本維新の会のポスター(時事通信フォト)
《本当に許せません》維新議員の”国保逃れ”疑惑で「日本維新の会」に広がる怒りの声「身を切る改革って自分たちの身じゃなかったってこと」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《広陵高校暴力問題》いまだ校長、前監督からの謝罪はなく被害生徒の父は「同じような事件の再発」を危惧 第三者委の調査はこれからで学校側は「個別の質問には対応しない」と回答
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン