ライフ

作家・橘玲から若者たちへ 来たるべき「残酷な評判社会」を生き抜く術

「評判社会」の到来は確実(イメージ)

「評判社会」がやってくる(イメージ)

 いまや若者にとってインターネットやSNSは生活に欠かせなくなったが、その裏側には大きなリスクが潜んでいる。とりわけこれから社会に出ていく若者は、確実にやって来る「評判社会」への対応が欠かせない。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』『上級国民/下級国民』の著者で作家の橘玲氏が残酷な未来を予言する。(取材・構成/池田道大)

 * * *
 これからの社会を考えるキーワードは「評判社会」です。SNSやインターネットが日常のインフラになると、ネットによって個人が数値化されて評価されるようになります。

 今は初対面の人と話をするとき、スマホをいじって相手のことを検索するのだといいます。すると「この人、エラそうなことを言っているけど、ツイッターのフォロワーが500人しかいない」とか「この若者は、着てるのはユニクロでぜんぜんイケてないけど、フォロワーが10万人もいるのか。これは真剣に話を聞かないと」などと、その場で判断されてしまいます。

 かつては、自分をアピールするのはブランドのバッグや時計、高級車や豪邸でした。社会のヒエラルキーの中で上位に立ちたいとき、手っ取り早く他人を納得させるのは外見だったのです。

 しかし今は「外見より中身が大切」という考えが浸透し、なおかつその人の評判が可視化されるようになりました。たとえランボルギーニに颯爽と乗っていても、SNSのフォロワー数が少なければ、「見かけ倒し」とかえって評価が下がってしまいます。就活でも、会社が応募者のSNSをチェックし、過去の“炎上”がわかると面接から外すなどということも起きるかもしれません。

 これは控えめにいっても、驚くべき変化です。このイノベーションが将来、社会にどのようなインパクトをもたらすのかは、私もよくわかりません。ひとつだけ確実なのは、これからは個人の評判を管理する「自分マーケティング」の重要性がどんどん増していくことです。

 これまでの日本人の働き方は会社の中で完結していて、社内の評価がよければ、社外からどう思われようがほとんど気にしませんでした。しかしこれでは、労働市場での評判を蓄積できません。会社が倒産したりリストラされた時に、外部の評価がなにもなければ再就職は難しくなるだろうし、逆に評価が高ければ「ウチに来てよ」という誘いが殺到するかもしれません。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年12月3日、撮影/JMPA)
《曾祖父母へご報告》グレーのロングドレスで参拝された愛子さま クローバーリーフカラー&Aラインシルエットのジャケットでフェミニンさも
NEWSポストセブン
指示役として逮捕された村上迦楼羅容疑者
「腹を蹴れ」「指を折れ」闇バイト主犯格逮捕で明るみに…首都圏18連続強盗事件の“恐怖の犯行実態”〈一回で儲かる仕事 あります〉TikTokフォロワー5万人の“20代主犯格”も
NEWSポストセブン
3年ぶりに『紅白』に出場するKing & Prince
《ボーイズグループ群雄割拠時代が到来》キーワードは「オーディション」と「自由」 メンバー個人での活躍の場も拡大、“脱退組”にも注目
女性セブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《スクープ》“連立のキーマン”維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が「秘書給与ピンハネ」で税金800万円還流疑惑、元秘書が証言
NEWSポストセブン
2018年、女優・木南晴夏と結婚した玉木宏
《ムキムキの腕で支える子育て》第2子誕生の玉木宏、妻・木南晴夏との休日で見せていた「全力パパ」の顔 ママチャリは自らチョイス
NEWSポストセブン
大分県選出衆院議員・岩屋毅前外相(68)
《土葬墓地建設問題》「外国人の排斥運動ではない」前外相・岩屋毅氏が明かす”政府への要望書”が出された背景、地元では「共生していかねば」vs.「土葬はとにかく嫌」で論争
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
清水運転員(21)
「女性特有のギクシャクがない」「肌が綺麗になった」“男社会”に飛び込んだ21歳女性ドライバーが語る大型トラックが「最高の職場」な理由
NEWSポストセブン
高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン