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1964年の五輪開催中の新聞広告。「ニッポンのサラダはステキ」とPRした(写真/日清オイリオグループ提供)

若者たちがおしゃれに目覚めて、街へ出た

 1964年9月12日には、銀座のみゆき通りにたむろしていた若者が、一斉取り締まりで補導され、ニュースになった。テレビプロデューサーのテリー伊藤さん(71才・当時14才)はこう話す。

「実は、ぼくもみゆき族でした。ベージュのコットンパンツかバミューダパンツをはき、上はボタンダウンシャツ、靴はコインローファーで、短めのパンツの下に白の靴下をのぞかせる。VANのロゴ入り“ズダ袋”を小脇に抱えて新宿でも渋谷でも池袋でもなく、銀座のみゆき通りに集まり、ただ歩く。何も悪いことはしていないけど、いま路上飲みをしている若者のように、お店の人からしたら、異質な存在だったのかもしれないね」

 男性のみゆき族は、当時大学生を中心とした若者に定着したアイビールックをやや崩したスタイルだったという。

 これに対して、女性のみゆき族はロングスカートにぺちゃんこ靴、肩でセーターを結ぶのが典型的スタイルだった。生活史研究家で作家の阿古真理さんが解説する。

「ミニスカートブームは1967年当時、“ミニの女王”と呼ばれたツイッギーの来日で旋風が起こるので、もう少し後。1964年頃はまだ女性の既製服が少なく、地味で上品な服をスタイルブックや主婦雑誌の付録の型紙で、自前で作るのが主流でした」

 戦後の洋裁ブームの流れで、ミシンのある家が多かったのも、この時代ならではだ。

取材・文/北武司

※女性セブン2021年6月10日号

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