国内

野菜サラダ普及はここから 日本の食卓を変えた1964年の東京五輪

ああ

1964年、東京五輪選手村の食堂へ、ニチレイの冷凍食材を納品する様子。肉、魚のほか、野菜類もあった(写真/ニチレイ提供)

 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、開催自体に疑問の声も多い東京五輪2020。あまりうれしくない形で歴史に残る大会となりそうだが、1964年に行われた前回の東京五輪は、日本の高度経済成長を後押しした重要な大会だった。そして、1964年を境に、様々な分野に変革が起きていたという。1964年前後の「食」と「ファッション」を振り返る。

冷凍食品やサラダは東京五輪から身近に

 冷凍食品は、選手村で提供する食事用に採用された“業務用”から、身近なものとなっていった。

「1963年8月の試食会では、冷凍と生鮮素材で作り、どちらかわからないようにして食べてもらって、後で種明かしをしました。佐藤栄作五輪担当相からは、『どちらもおいしいよ』と、高評価をいただいたそうです」(ニチレイフーズ・広報)

 これも2~3年前から議論を重ね、輸送の効率化や集中管理の方法、規格などを細かく話し合い、ノウハウを深めていった成果といえよう。

 その後、1963年にダイエー三宮店(兵庫県)に冷凍食品売り場が登場するなど、家庭にも徐々に広がっていった。

 野菜サラダについては、東京五輪開催期間中の日清サラダ油の広告が注目された。当時の日本では野菜栽培の肥料に人糞尿が使われ、野菜を生で食すのに抵抗があったからだ。

 ところが、欧米では生野菜のサラダを食べると知ると、化学肥料や農薬での衛生的な栽培へ徐々に転換し始め、五輪以降、化学肥料によるレタスやトマトなどの生産も増え、生野菜が食べられるようになっていったのだ。

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン