今年の天皇誕生日の祝賀行事に向かわれるお姿(写真/JMPA)
特に期待されていたのは、国際経験が豊かな雅子さまのご活躍だ。
「2019年5月、令和初の国賓としてドナルド・トランプ前米大統領夫妻が来日した際、雅子さまはメラニア夫人の出身国の文化に合わせてチークキスをされるなど、高いレベルの外交技術を発揮されました。アメリカでは “雅子妃はスターだった”と大きく報じられ、日本の外務省幹部は“雅子さまは外交の切り札になる”と唸ったそうです。
雅子さまが、来賓と政府の双方から応接の要望を受ける機会は多く、開催期間中は大変お忙しくなる。だからこそ、体調の管理に努められているのです」(前出・皇室記者)
もちろん世界最高の競技のパフォーマンスも楽しみにされていたはずだ。
「雅子さまはスポーツ万能で、中学時代はソフトボール部の4番バッターでした。ご自分が詳しい競技だけでなく、各競技のルールを熱心に勉強されているといいます。
陛下も4才だった前回の東京五輪でマラソンを観戦されていたり、長女の愛子さまは御所にゴールを設けて練習するほどのバスケットボール好き。お三方とも五輪・パラリンピックを心待ちにされ、ご一家で談笑されることもあったそうです」(前出・宮内庁関係者)
開会宣言はリモートで
開幕まで約1か月半。しかし、国民の間にはコロナ禍の状況に鑑みて、開催反対論が高まっている。朝日新聞の世論調査では「中止」が43%で「再延期」40%、読売新聞では「中止」が59%に上った。そんななかで、名誉総裁である陛下は沈黙されている。
「陛下は、2019年の誕生日会見で、パラリンピックのランナーの伴走をした経験を踏まえて『東京五輪を楽しみにしている』と述べられましたが、今年2月の誕生日会見では触れられませんでした。それ以来、沈黙を貫かれています。東京五輪の開催が国民の気持ちに反する状況であることを理解していらっしゃるのでは」(皇室ジャーナリスト)
五輪の開催について前出の官邸関係者は次のように語る。
「菅義偉総理は観客を入れての開催に強くこだわっています。しかし、いまのような民意の状況では現実的に難しい。周囲が菅総理を説得し、6月下旬までには“無観客での開催”を発表するでしょう」
無観客の場合、競技場に入るのは、アスリートとそのスタッフ、報道関係者に限られる。広い観客席には、海外からの観戦客はもちろん、チケット当選した国民の姿もない。
1964年の東京五輪では、国立競技場で開会宣言をする昭和天皇の隣に、香淳皇后のお姿があった。1998年の長野五輪でも、開会宣言をされた上皇陛下に美智子さまが寄り添われていた。パラリンピックでは、美智子さまがスタンドで起きたウエーブに参加され、会場を盛り上げられたことが大きな話題になった。