ビジネス

どんな服の上からでも装着可能「ウエストポーチ型エアコン」開発秘話

3色展開、見た目もクールなボディエアコン

3色展開、見た目もクールなボディエアコン

 ここ数年、夏になると、空調つきの服や首から下げる扇風機など、ウェアラブルタイプの“エアコン”が人気を呼んでいる。『野電 ボディエアコン・ツインクール』(1万3970円)は、そのどちらでもない新タイプ。この個性的な商品はどのような発想で生まれたのだろうか?

 大阪市のアウトドアメーカーLOGOSでは、2020年からボディエアコン製品の販売を行っている。きっかけとなったのは、同社の代表・柴田茂樹さんと企画広報部の浜西千尋さんが出張の移動中に交わしたちょっとした会話だった。

「服に送風機能がついた空調つきの服はすでに世の中にあるが、涼しくあろうとしたら、常にその空調つきの服を着ていなければならない。着替えずとも涼しさを感じられるものを作れないだろうか?」

 こんな考えのもとに2020年、『ボディエアコン・クールユニット』と『ボディエアコン・クールダイレクト』を発売。この2つの商品は、ウエストポーチ型で、どんな衣類の上からでも身につけられることがポイントだった。

「アウトドアメーカーとして、いろいろな素材を使ったバッグを企画した経験があったため、ウエストポーチ型のバッグと装着式のエアコンという電気系統のものを結びつけるというアイディアが湧きました」と、浜西さん。『ボディエアコン』は、洗濯の必要もなく、ウエストのベルトの長さを調節すれば、家族や職場の仲間など複数人でシェアすることもできると好評を博した。

 そして、今年発売される新商品が『ボディエアコン・ツインクール』だ。最大の特長はファンを下向きに設計したことで、これにより雨が内部に入らず湿気を防ぐことが可能となった。夏の雨の日は、レインウエアを着る人も多いが、頻繁にムレる。しかし、この商品を使えばウエア内も快適。この特性に一役買ったのは、やはり“防水”バッグの開発技術。アウトドアメーカーとしてのノウハウがここでも生かされた。

どんな服にも合うデザイン

どんな服にも合うデザイン

 さらに、『ツインクール』は装着時のシルエットを自然に見せることにもこだわった。そのためにはコンパクトさが重要だが、奥行きが小さくなるとその分ファンも小さくなってしまい、風力が低下する。そこで、ファンを横並びに2つ搭載した。これによって、コンパクトで自然な見た目と風力アップを両立させた。

 2021年4月、クラウドファンディングサイトで発売したところ、翌日には目標金額を達成。またたく間に先行販売分の数量を達成した。現在は増産体制も視野に入れているという。「LOGOSの考えるアウトドアというのは、キャンプやレジャーだけでなく、“一歩でも外に出たら、アウトドア”。その考えのもと、老若男女問わず、いろいろな人にボディエアコンを使ってほしいと考えていました。注目を集められたのは、そういった信念で企画開発にあたったからかもしれません」と浜西さんは話してくれた。

※女性セブン2021年6月17日号

ファン

ファン

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン