小さな目標が困難に負けない心をつくる

 この番組に、ぼくはコメンテーターとして出演した。毎年のように災害が起こる日本において、乗り越えるために何が必要か。ぼくは「逆境力、レジリエンス」と答えた。

 被災後、夢や希望を持ちなさいと言われてもそんなに簡単にはできない。でも希望は持てなくても目標は持てる。小さくてもいいから、目標を持ち、それが達成できると自信が生まれる。それが逆境に負けない力になるのではないか、と語った。

 話は震災だけに限らない。この後、パンデミックが起こり、世界は一変した。こんなにもレジリエンスが必要な時代になるとは、思いもしなかった。

【プロフィール】
鎌田實(かまた・みのる)/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。著書に、『人間の値打ち』『忖度バカ』など多数。

※週刊ポスト2021年6月18・25日号

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