とわ子が小鳥遊と別れた理由 これは「ラブコメ」でなく「ロマンチックコメディ」

──このドラマは「一人で生きていく人を応援するドラマ」だというお話をされていました。独身者は増えていますが、一人で生きることについて、どう考えていらっしゃいますか?

佐野:このドラマはコロナ禍だからできたところもあるんです。海外の映像ですが、家族がいても最後は誰とも会えなくて、病院で一人で亡くなっていくおじいさんの姿を見たんですね。その映像を見て、家族がいようがいまいが関係なく、人は一人で生きているし、一人で死んでしまう。けれど、一人じゃないと思えるドラマを作りたいなと思いました。

「一人で生きていく」というと、独身だとか、家族がいないとか、物理的な観点でとらえられがちですが、どんな人も一人で生きているようで、いろんな繋がりのなかで生きていると思います。たとえばよく通っていたお店にコロナで行けなくなって、3か月ぶりに顔を出したとき、店員さんが覚えてくれていたらうれしい。そういうちょっとしたことも含めて、人は一人だけど一人じゃないということを、このドラマで伝えられたらうれしいです。

脚本家の坂元裕二とは3度目のタッグ(時事通信フォト)

脚本家の坂元裕二とは3度目のタッグ(時事通信フォト)

──40代でバツ3のとわ子は、仕事をして、家のことをして、恋をしてきました。とわ子の「大人の恋愛」について、佐野さんはどうお考えですか?

佐野:恋愛は素敵なものですが、このドラマでは、とわ子の生活の一部に恋愛がある、という視点を脚本の坂元さんは大事にされていると思います。だから「ラブコメ」じゃなくて、「ロマンチックコメディ」なんです。そして、とわ子は生活の一部である恋愛を、たとえば仕事といった他の要素から切り離すことはできないとも思うんです。すべてが有機的に関連しあって、とわ子という一人の人間が生きているからです。

 坂元さんと、とわ子が、オダギリジョーさん演じる小鳥遊大史(たかなし・ひろし)とお別れするとしたらどんな理由でしょうね、と、話し合ったことがあるんです。やっぱりとわ子は、エアコンのオンとオフみたいに、恋愛を他から切り分けられなかった人なのではないか、というところに落ち着きました。

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