芸能

手塚治虫から弟子・古谷三敏への箴言「必ず1本は映画を観ろよ」

手塚治虫からの箴言とは?(時事通信フォト)

手塚治虫からの箴言とは?(時事通信フォト)

 漫画界の巨匠、手塚治虫。そのアシスタントを3年間務め、その後『ダメおやじ』『ぐうたらママ』などで一躍人気漫画家となった古谷三敏(84)が、“師匠”である手塚から受け取った箴言を振り返る。

 * * *
 高田馬場に漫画の通信教育のようなものがあり、漫画を送ると出版社の人が見に来るシステムになっていた。ある時、16ページくらいの漫画を描いて送ると、手塚先生のマネージャーの方から「アシスタントを募集している」という葉書をいただいたんです。

 手塚先生はまさに雲の上の人。嬉しくなって、翌朝8時に先生の自宅を訪れてピンポンを鳴らすと、寝間着姿で出てきた先生にこう言われました。

「漫画家は朝遅いんだから、こんなに早く来ちゃダメだよ。もう少し寝るから、応接間でテレビを観てなさい」

 他にも数人に葉書を送っていたようですが、僕が一番乗りだったので、即採用になりました。長くいるとアシスタントに慣れすぎて独り立ちできないという理由で、期間は3年間と決まっていました。

 背景すら描かせてもらえませんでしたが、先生が仕事をしているその後ろのちゃぶ台でベタを塗りながら、「今、俺は手塚治虫のところにいるんだよなぁ」と。それだけでドキドキしていました。

 先生にはいっぱい怒られましたよ。宝塚に帰省中の先生から電話がかかってきては「ここを描いたのは誰? 指定したのと違うじゃないか」と細かくチェックされる。怒られるのが嫌だから、みんな電話に出ようとしなかった(笑い)。

 連載漫画が8本あり、月刊誌の締め切りが終わる毎月25日の後に少し余裕ができました。そうすると先生はお休みとお小遣いをくれて、

「漫画家にとって映画は一番の勉強になる。必ず1本は映画を観ろよ」

 と僕らを送り出し、休み明けに観た映画の感想文を書くという約束がありました。

関連記事

トピックス

安達祐実と元夫でカメラマンの桑島智輝氏
《ばっちりメイクで元夫のカメラマンと…》安達祐実が新恋人とのデート前日に訪れた「2人きりのランチ」“ビジュ爆デニムコーデ”の親密距離感
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《安達祐実の新恋人》「半同棲カレ」はNHKの敏腕プロデューサー「ノリに乗ってる茶髪クリエイターの一人」関係者が明かした“出会いのきっかけ”
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
明治、大正、昭和とこの国が大きく様変わりする時代を生きた香淳皇后(写真/共同通信社)
『香淳皇后実録』に見当たらない“皇太子時代の上皇と美智子さまの結婚に反対”に関する記述 「あえて削除したと見えても仕方がない」の指摘、美智子さまに宮内庁が配慮か
週刊ポスト
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン