何をしでかすか予想できないが、「炎上系」ではない。ここにフワちゃんが愛される秘密があるようだ。かつてフワちゃんとお笑いコンビ「SF世紀宇宙の子」として活動していたネタ・企画作家の芝山大補氏が「フワちゃんが飽きられない理由としては3つのポイントが挙げられます」と分析する。
「1つ目は、『地が明るいこと』です。芸人の世界って、意外とあそこまで地で明るい人はいません。おそらく明石家さんまさんぐらいじゃないでしょうか。底抜けに明るい人は、いつの時代でも見ている人に元気を与えてくれます。
2つ目は、『大御所に失礼ができること』です。大御所の芸能人にタメ口で失礼なことを言えるところも、若い世代から求められているポイントだと思います。テレビを観ない若い人からすると、大御所がなんで偉そうにしているかわからないんですよね。そんな相手に言いたいことを何の躊躇もなく言ってくれる彼女を見ていると、スカッとした気持ちになるのでしょう。
3つ目は、『怒らせないラインを掴んでいること』です。フワちゃんはコンビ時代もよく目上の人に失礼な態度をとって怒られていましたが、周りの芸人にはそこがウケていました。そして彼女は人生の中でそうやって何度も怒られてきているので、絶対に越えてはいけないラインを感覚で掴んでいます。この3つのポイントと、そのキャラクターに全く嘘がない。それがフワちゃんの強み、愛されている理由なんだと思います」
何かと叱られっぱなしの人生で、「怒られのプロ」を自称するフワちゃん。ギリギリ笑いに変えられるレベルのハプニングは起こしても、本当のトラブルは起こさない絶妙なバランス感覚は、実生活の中で掴んだものらしい。ある程度安心して、楽しくハラハラできる。例えるならば、遊園地の絶叫マシーンを擬人化したような存在。それがフワちゃんなのだ。
●取材・文/原田イチボ(HEW)