特に、熱海のように1960年代に開発され、レトロな建物が安価に手に入る温泉地への移住は、慎重になる必要がある。ハザードマップで確認したところ、東京や大阪から近くて移住先として人気の鬼怒川温泉(栃木県)や有馬温泉(兵庫県)、奥多摩エリア(東京都)は、熱海と同じように川沿いに土石流の警戒区域が点在している。一般財団法人砂防・地すべり技術センターの研究顧問・池谷浩さんは、こう指摘する。
「近年の雨の降り方を見ていると、どこで災害が起きてもおかしくありません。命を守るために、住みたい場所が安全か確認する必要があります」(池谷さん)
大雨による水害は、多くの教訓を示した。現地ではいまも、懸命な救助活動が続いている。
※女性セブン2021年7月22日号