だが、3Aの「反小池」同盟がそれを黙って見ているはずがない。小池氏の選挙介入を防ぐために、二階幹事長交代の動きを強めるはずだ。
「対立状況のまま総選挙を迎えれば、自民党は小池氏の推薦をもらった“小池印”の候補と“反小池”候補に色分けされて選挙を戦うことになる可能性もある。小池氏を“総裁”とする“もう一つの自民党”ができるに等しく、事実上の分裂選挙になってしまうということです」(角谷氏)
かつて小泉政権の郵政解散(2005年)では、自民党議員が郵政民営化賛成派と反対派に割れて戦った。このとき、反対派への“刺客候補”となったのが小池氏だ。
だが、今回は自民党が「コロナと五輪」の失政で連帯責任を負う菅首相派と小池派に見かけだけ分かれて総選挙を戦ったとしても、どちらも民意の受け皿になり得るとは思えない。五輪後に始まる「小池劇場」で“溺れる自民党”が“ユリコの藁”を掴んでも、党勢の凋落は止まらないだろう。
※週刊ポスト2021年7月30日・8月6日号