「イチロー選手はとことんストイックに野球に打ち込んだイメージがあります。大谷選手ももちろん陰ではストイックに努力しているのでしょうが、グラウンドに立つと本当に楽しそうにプレーしています。
特に今シーズンは通訳を介さずチームメートに話しかけ、明るく会話するシーンが増えました。投打に加えて走塁でも全力でプレーする中、常に“楽しむ”姿がある。いくつになっても、何年続けても、純粋に野球を楽しんでいるのだと思います」(佐々木さん)
こうした大谷の「しなやかな努力」はメジャーリーグで主流になりつつある「データ野球」とも相性がいい。
「かつては根性や勘に頼ることも多かった野球ですが、体にセンサーやバンドをつけて投打ごとに数値をつける方法が主流になりつつある。大谷もこうした練習法を取り入れているそうです」(現地記者)
33号ホームランにオールスター初の二刀流登録。次々に新しい世界を切り開いていく大谷は、今後どこへ向かうのだろうか。
「目標は『50代まで現役でやること』と話してくれたことがあります。いまの常識では荒唐無稽な話にも思えますが、彼は『ぼくが50代になる頃には医療やトレーニングがいまより発達しているはずなので、決して不可能ではないと思っています』とも話していました。私たちが想像もしなかった世界を次々に見せてくれる大谷選手ならば、本当にその目標をクリアするかもしれません」(佐々木さん)
東日本大震災から10年、地元・岩手の飲食店では、大谷の雄姿が繰り返しテレビに映し出され、誰もが目を輝かせながら、郷土のヒーローに見入っていた。
大谷の父・徹さんは『女性セブン』の取材に「いままでの積み重ねで結果が出たことがうれしい。今後もけがなくやってほしい」と答えてくれた。それは日本中の、いや、世界中の大谷ファンも同じ思いのはずだ。だが、当の本人は、そんな期待に気負うことなく、今日も明日も明後日も、笑顔でグラウンドに立ち続けるだろう。
Sho-Timeはまだまだ続く―─。
※女性セブン2021年7月29日・8月5日号