国内

新型コロナ ワクチンを「打たない」と決めた人々の理由とは

(写真/Geety Images)

ワクチンを打たない人のそれぞれの理由とは?(写真/Geety Images)

 テレビや新聞では、接種状況やワクチンの供給遅れが連日報じられている。しかしその一方で、副反応に苦しむ人は少なくなく、接種後まもなく亡くなった人もいるという事実についてはほとんど黙殺されている。そんな中、医師や高齢者など優先接種される立場の中にも「打たない」と決めた人がいる。ジャーナリスト・鳥集徹氏と女性セブン取材班が、彼らの胸中と「打たない」選択をした理由に迫った。

 * * *
 各国で、新型コロナウイルスワクチンの接種率が頭打ちになり、問題となっている。

 必要回数の接種を済ませた人が49.2%(7月20日時点)と、全国民の半数に達していない米国では、バイデン大統領が7月6日の演説で、接種を拒む人が多い地域などを対象に個別訪問を行い、接種を促していくという考えを示した。それだけ打つのを嫌がる人が増えて困っているということだろう。

 なぜ、そんなにも接種を嫌がる人が増えたのか。その背景にあるのは、「反ワクチン派」の存在である。「不妊や流産が起こる」「遺伝情報が書き換えられる」といった話から、「磁石がくっつく」「マイクロチップが入っている」というにわかに信じがたい話まで、根拠のないデマを流し、不安をあおる人、そしてそれをうのみにする人が増えているというのだ。

 接種率が3割を超えた日本にも、避ける人が一定数いると思われる。彼らもまた、こうした“デマ”を信じているのだろうか。「ワクチン接種をしない」と決めた人たちにその理由をたずねた。

 日本では2021年2月、医療従事者を皮切りに優先接種がスタートした。医療機関には新型コロナに感染すると重症化しやすい患者が多く集まっている。その人たちに感染させないこと、医療従事者を新型コロナ感染から守ることなどが、優先接種の対象となった理由だ。それでも打たない選択をした医師がいる。

「私が打たない理由は2つあります。1つは私が40代であること。今後、子供が生まれる可能性が充分に考えられる年齢にとって、1年足らずで開発されたワクチンは長期的にどんなリスクがあるかわかりません。それに、40代はコロナに感染しても重症化するリスクが低く、ワクチン接種で個人的に得られるメリットは少ないと感じる。現状では打たなくてもいいと判断しました」

 そう話すのは、鹿児島で訪問診療のクリニックを開設する、医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之さん(49才)だ。森田さんはワクチンの効果を完全に否定しているわけではなく、それなりに有効性があり、医師という職業上接種する選択も悪くはないと考えているという。だがもう1つ、打たないのにはこんな理由がある。森田さんが続ける。

「医学生や看護学生たちは実習を受ける際に、このワクチンの接種が求められています。しかし10代後半から20代前半の人は、コロナで亡くなるリスクはほとんどありません。にもかかわらず、長期的な安全性が不明なワクチンを打つようプレッシャーをかけられているのは、とても気の毒です。

 現役の医療従事者も、本当は全員が打っているわけではなく、体感として接種率は8、9割だと思われます。しかし、打ちたくないと声を上げづらい雰囲気がある。ならば、『私は打っていませんよ』と言ってあげられる医師が1人くらいいてもいいのではないか、そんな気持ちから表明しています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
横山剣氏(左)と作曲家・村井邦彦氏のスペシャル対談
《スペシャル対談・横山剣×村井邦彦》「荒井由実との出会い」「名盤『ひこうき雲』で起きた奇跡的な偶然」…現代日本音楽史のVIPが明かす至極のエピソード
週刊ポスト
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟で提訴された大谷翔平(時事通信フォト)
《テレビをつけたら大谷翔平》年間150億円…高騰し続ける大谷のCMスポンサー料、国内外で狙われる「真美子さんCM出演」の現実度
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン