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クオモNY知事の「お尻にタトゥー」セクハラ報告書の凄い中身

女性を見るとすぐ触る(AFP=時事)

女性を見るとすぐ触る(AFP=時事)

 ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事(63=民主党)に年貢の納め時が迫っている。後手に回っている新型コロナウイルス対策が原因ではない(同州の8月5日現在の累計感染者数は216万人、死亡者数5万3301人。ワクチン接種率57.4%)。政界入りして以来、若い美女を見ると手当たり次第に手を出す「病的なお触り行為」に同州初の黒人女性司法長官、レティシア・ジェームズ氏(62)が断を下したからだ。

 同長官は民主党系「ワーキング・ファミリー党」党員で、筋金入りの人権派。長官になる前はニューヨーク市の市長に次ぐナンバーツーの市民オンブズマンだった。アメリカでは、異性の身体を「合意なしに」触ったり、性的な発言をする行為を厳しく処罰する「セクハラ法」が連邦、州、市町村単位である。違反すれば、政治家なら公職辞任、大企業の幹部なら解任だ。そのあとには訴訟による刑事、民事罰が待っている。

 そんな厳しい社会制度があるにもかかわらず、クオモ氏のセクハラ癖はつとに有名で、これまで何度も問題になってきた。有権者の人気はあったから、そのたびに「親しみを表す私流のジェスチャーだ」と笑い飛ばして逃げ切ってきたのである。今回は、複数の女性からセクハラの嫌疑をかけられたことで、自らジェームズ長官に真相究明を命じていた。クオモ氏とすれば、「これまで通り調査結果はシロ」と自信満々だったのだろう。

 ところが、ジェームズ氏は5か月間におよぶ調査の末、8月3日に公表した165ページの報告書で「11人の女性の訴えには正当な根拠がある。知事の常習的なセクハラ行為は連邦法、州法に違反する」と断定したのだ。民主党のボスたちもさすがにマズイと思ったようで、ジョー・バイデン大統領、ナンシー・ペロシ下院議長が相次いで「辞任せよ」と促した。同党議員からも追及の声が相次ぎ、クオモ氏はトカゲの尻尾切りをされた格好だ。

 それも当然だろう。報告書に克明に記されたセクハラ行為は下品きわまりない。例えば、秘書だったシャーロット・ベネットさん(25)は大きな瞳が印象的なブルネットの女性だが、こう証言している。

「私のセックス・ライフについてしきりと尋ねて、中高年男性とセックスしたことがあるかと聞いてきました。知事が私とセックスをしたいのだと咄嗟に感じました。気持ち悪くなり、恐ろしく感じました。誕生日にタトゥーを彫ると知事に話すと、『見えないところに彫るのがいい。お尻に彫ったらいい』と言われました。知事は、『君は耳以外のどこにピアスをしているのかな?』とも聞いてきました。

 母校から講演の依頼が来たので、知事に何を話したらいいか助言を求めました。すると、『私はレイプされ、虐待されました。何回も何回もレイプされました』と話せばいい、と言うのです。そのあと、セレブの中で誰と寝たいかとか、女の子をバイクに乗せて人里離れた山に連れて行くのが自分の夢だ、とも話していました」

 2015年から2018年まで州経済開発局や知事室に勤務した秘書、鮮やかな青い目が印象的なリンゼイ・ボイランさん(36)も、こう証言した。

「上司から『知事は君がお気に入りのようだ』とは聞いていました。勤務中に私の腰や腕、脚を撫でまわし、強引にキスしてきました。部屋から出ようとすると前に立ちはだかり、口づけされてしまいました」

 続いては、2019年に知人の結婚式でたまたまクオモ氏に会ったアナ・ルチさん(33)。当時は30歳になったばかりの金髪女性だ。

「話している最中に急に(背中が大きく開いているドレスの)腰を触ったあと、両手で私の頬を掴み、『キスしてもいいかい』と囁きました。なぜこんな行為が罰されないのか、ショックを受けました。でも(相手は知事だし)私にはなにもできませんでした」

 クオモ氏が都市住宅開発長官の頃(2000年)に個人的にコンサルタントとして雇っていたカレン・ヒントンさんの話。

「ホテルの部屋に私を連れ込むや、まるで親密な関係にある男女のように抱擁してきました」(これに対してクオモ氏は「ヒントンさんは私の長年の政敵だ」とコメントしている)

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