有効な感染防止対策もできないまま、感染拡大さなかの五輪強行開催で、支持率が急落する菅政権。自民党総裁選と解散総選挙という山場を乗り切ることはできるのだろうか。亀井静香氏(84)、山崎拓氏(84)、藤井裕久氏(89)、政界の長老3人が緊急座談会を開催。政局の未来を占う。
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藤井:来る総選挙で重要なのが野党の動きですが、立憲民主党の人たちは自民党に比べるとあまりに理論的すぎるんですよ。政治は理屈では動かない。かつての自民党の三木武吉や大野伴睦、もともと好きではないですが、ああいう人が必要なんですね。三木と大野はそれぞれ鳩山一郎、吉田茂の側近でこの2人が自由民主党をつくった。党人派って言っていいのかな、要するに権力を取るためには何でもやる人です。
亀井:今ね、政界で一番そういう能力のあるのは共産党の志位(和夫)よ。彼はね、マルクス・レーニン主義とかね、そういうのと縁のない男。
藤井:私もそう思います。
亀井:本人もそう言っている。「じゃあ何だ」と聞いたら、「科学的社会主義だ」とか言うので、「何だそんなお経みたいなのは」と俺は言ったんだけどね(笑)。彼はある面では、永田町の力学をじっと見ながら、自分たちはどうやったらうまいメシが食えるかというのばっかり考えている。野党の連立政権に彼は入る気がない。閣外協力ということも、形の上ではしない。それで仮に野党連立政権ができてもひ弱な政権だから、それをグッと睨みつけて存在感を出そうとしている。彼は、ちょっと怖い男だな。
藤井:私は共産党さえ乗ってくれば立憲民主と共産党の共闘は支持しますがね。
山崎:僕が昔の選挙区を回ってみて感じるのは、世論、民意が動いているということです。今度は立憲が良いとか共産が良いということではなく、自民党にお灸を据えるという言い方で、自民党以外に入れると言っている。そういう民意があるのは確かです。
亀井:このままでは自民党は選挙で大敗する。単独過半数は厳しく、公明党も弱体化しているから、公明含めても過半数が覚束なくなってくる。
そうするとどういうことが起こるかというと、連立政権。米中が対立して、世界中コロナでこんな状況だし、もうこんな島国で、ごちゃごちゃ喧嘩するのはよそう。挙国一致で行こうじゃないかと。その打ち上げをやれば、連立ができる。これが菅(義偉)さんに残された唯一の道ではないかな。
山崎:大連立ですかね。
亀井:いっそのこと立憲民主まで巻き込んでやればいい。
俺もかつてそういう状況で自社さ政権をつくって村山富市さんを首相に担いだ。先回りして言うけど、今度そうなった先にいるのは玉木(雄一郎・国民民主党代表)。連立政権の場合は少数政党から首相を出すことになるから、大いにあり得る。ただし、彼はサラブレッドで、土の匂いがしないという欠点がある。