名は体を表すというが、キラキラした名がより甲子園でプレーする球児を輝かせる。シドニー五輪で金メダルを獲得した柔道の井上康生から、同じ「こうせい」と読む名前を授かったのが2018年の準優勝投手・吉田輝星。その字の通りのピッチングだった。そして、今年もっとも名前が“あっぱれ”な球児が、智弁和歌山の主砲・徳丸天晴(てんせい)だ。1年春から名門の4番に座った右の長距離砲である。
2年前に筆者は中学1年生の有望選手が集まった練習会を取材した。その時、「赤彗星」という名の少年がいた。ガンダムファンなら読み方がわかるかもしれない。赤い彗星とくれば、その名は「シャア」だ。少年が彗星の如く甲子園に登場し、躍動する日を、心待ちにしている筆者がいる。
取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)