国内

通常営業する海の家に集う若者たち 彼らを非難するだけでよいのか

夏の海を楽しみたい!(イメージ)

夏の海を楽しみたいのは皆同じ(イメージ)

 日本では、新型コロナウイルス感染症に対する政策に不満があっても、欧米のように暴動が起きてはいない。だからといって「日常」が取り戻せないことに納得しているわけではないようで、様々な場所で、ほころびが出始めている。通常営業を始めた江ノ島の海の家と、そこに集う若者たちの様子を、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *

 湘南の景勝地・江ノ島を望む防波堤に立つと、聞こえてくるのはさざ波と風の音…ではなく、若者に人気のヒップホップやEDMと呼ばれる大音量のダンスミュージックに、缶ビールや酒瓶片手に千鳥足で歩いている若い男女の黄色い声だ。

「いやー、マジでコレを待ってました。2年ぶりですよ、2年。もういいっしょって感じです!」

 両腕に入ったタトゥーが見えないほど真っ黒に焼き上がった肌の会社員・持田裕樹さん(仮名・20代)は、この夏すでに10日以上、ここにやってきては酒を飲み、大騒ぎをしている。もちろん、マスクは未着用だ。

 付近では、複数の海の家がコロナ前のように普通に営業していて、客も客で、やはりコロナ前のように水着にサングラス姿で普通に海の家を訪れ、食事したり飲酒をしているのだ。近隣住人が声を潜める。

「去年は海の家が中止だったから、ほとんど人は集まりませんでした。でも今年は、全部とは言わないけど、いくつかの海の家が営業しているでしょ。散歩がてらに見に行ったら、イレズミの若い人がたくさん半裸で歩いていて、ズンズンドンドン音楽も聞こえて、ほとんどディスコ状態。それでも、誰も注意しないんだから」(近隣住人)

 海の家では、ほぼ全ての店で自粛が求められているはずの酒が販売されており、若者たちが競い合うように飲酒を繰り返している。筆者も実際に海の家の様子を確認したが、およそ2年ぶりに海で遊ぶという高揚感があるのか、若者たちのテンションは異常といえるほどに高い。

「だから、毎日のように喧嘩が起きているって聞きますね。警察もよく来ます」(持田さん)

 付近の商店店主によれば、海の家がある一帯は組合の管轄内で、自治体からの指導があっても、感染対策を講じるどころか、知らぬ存ぜぬという態度で営業し、酒の販売も続けているという。

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン