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欧米で導入のワクチンパスポート 偽造、不正発行の問題が浮上

ナイトクラブの入り口でワクチンパスポートを見せる女性(フランス西部)

ナイトクラブの入り口でワクチンパスポートを見せる女性(フランス西部。AFP=時事)

 来年、世界同時放送・配信される海外ドラマ『THE SWARM』の撮影のため、イタリアに滞在中の木村拓哉(48才)。8月7日に自身のインスタグラムを更新し、こんな近況を報告した。

《撮影していて全く気が付かなかったんですが、昨日からイタリアではグリーンパス(ワクチン接種の証明)の提示が無いとホテル内のジムもレストランの利用が制限される事になってしまいました》

 さらに翌日には、

《グリーンパスが無いので、ジムではなく汗だく覚悟の街歩きへ!》

 と投稿。日課のトレーニングにも支障が出るなど、不自由なイタリア生活を強いられているようだ。

「木村さんは新型コロナのワクチンは接種済みだったのですが、日本で『ワクチン接種証明書』、いわゆるワクチンパスポートの申請が開始される前にイタリアに渡っていたため、入手することができなかった。それゆえ行動が制限されてしまっているのでしょう」(芸能関係者)

 ワクチンパスポート──最近、頻繁に耳にするようになった言葉だが、はたして何なのか。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんが改めて説明する。

「ワクチンパスポートとは、ワクチンを接種したことを証明する書類などの総称です。これを持っている人はコロナに感染する可能性が低いため、パスポートを提示することで、さまざまな社会活動や日常生活が保障されます」

 イタリアなどでは「グリーンパス」、アメリカでは「ワクチンカード」など国によって呼び名は異なるが、内容はほぼ同じ。日本での正式名称は「新型コロナウイルス感染症 予防接種証明書」で、生年月日やパスポートナンバーのほか、接種したワクチンの種類、接種年月日、接種国などが記載される。

 7月26日から全国の市区町村で申請受付が始まり、当面は海外渡航者のみが活用できるが、いずれは国内でも活用されることになるだろう。

「現在、日本人の3人に1人が、65才以上に限ると約84%の人が2回接種を完了しています(8月17日時点)。ワクチン接種を完了した人に対しては行動の制限を緩和してもいいのではないか、という声は今後も高まり続けるでしょう」(医療ジャーナリスト)

 海外ではすでにワクチンパスポートは一般的なものになりつつある。

「イタリアやフランス、イスラエルでは、美術館やカフェなどでワクチンパスポートの提示が義務化され、アメリカのニューヨーク州でも義務付けることが決定しています。また、義務化はされていないものの、公共や民間の施設でワクチンパスポートの提示を求めることが当たり前になっている国や地域も少なくない」(前出・医療ジャーナリスト)

 だが、ワクチンパスポートにはプラスの面ばかりではない。「運用が始まっている国や地域では、さまざまな問題が起き始めている」(前出・医療ジャーナリスト)という。

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