ワクチン接種後にアナフィラキシーを起こした人の中には、過去に食物、動物、および殺虫剤によるアナフィラキシーを起こした経験のある人もいた。
厚労省が公表した審査結果によると、今回救済が決まった29人のうち、28人が20~60代の女性で、1人が40歳男性となっている。女性が多い理由について、二木氏はこう話す。
「ワクチン成分に含まれる添加剤のポリエチレングリコールは、女性が使用する化粧品に含まれていることが多いため、20~60代の女性にアナフィラキシーを発症する人が多くなっているのではないかと言われています。しかし正確な因果関係についてはまだ明らかにされていません」
接種前にアナフィラキシーを発症するリスクに備えることはできるのか。
「過去に同じワクチンを接種したことがあったり、ワクチンに含まれる成分にアレルギーがあることが分かっていたりすればリスクがあると言えます。しかし、新型コロナワクチンは接種自体が初めてのため、事前にリスクを把握することは難しい。
不安な人は、ワクチン接種の際にお薬手帳を持参すると良いでしょう。薬に対するアレルギー情報なども記載されているので、何かあれば医師がすぐに確認できます。また何らかの処置が必要になった場合に、相互作用のある薬を日頃から服用していないかを知ることもできます」(二木氏)
※週刊ポスト2021年9月10日号