給食もソーシャルディスタンスを保ち黙食(イメージ、時事通信フォト)
「大人だってそうだったように、子供達の世界では、犯人探しがより残酷に行われているようで……。ネットでコロナのことを調べて、感染すると子供が作れなくなるの? と泣きながら聞いてきました。私も急なことでパニックになり、慌てて病院や保健所に電話しましたが、自宅療養をと言われるばかりで半分ヒステリックになってしまい、息子はさらに不安になったようです」(森田さん)
さらに、パート先が接客業であるために、検査で陰性だったとしても、息子の感染後2週間は出社停止を命じられた。無論、非正規スタッフの森田さんに、その間の補償などはない。
「月に20万円ほどあったパート代は半分以下になりました。正直、家賃を払って手元に現金は残らず、食費を捻出するのも精一杯。食料を届けてくれる自治体もあるそうですが、私が無事だからか、そうした支援もありません。息子と二人、家の中に閉じ込められているしかないんです」(森田さん)
SNS上には、こうした子供の感染を危惧する親たちの声が相次いでいて、感染者が相次いでいるのに子供を学校に行かせられないとか、中には自身の子供の自主休校を決めたというコメントがあるだけではなく、自主休校するよう国や自治体に訴えようという親のグループも結成されている。すでに短縮授業を決めた学校もあるが、感染者が出るまで「休校」にはできないという「チキンレース」の様相を呈しているような例もあるのかもしれない。
「正しく怖がろう」という政府や識者は呼びかけてきたが、子供達への感染というフェーズに移り、これが大きなパニックの引き金にならないのか。早めの休校措置だけでなく集団ワクチン接種の実施など、思い切った公衆衛生施策を検討するべきときが来ているのではないか。