国内

バブル世代は嫌われる?「どうせ他人の金」の感覚抜けてないからとの指摘も

日経平均株価は史上最高値を記録した(写真/時事通信フォト)

日経平均株価は史上最高値を記録した(写真/時事通信フォト)

 職場などで「あの頃は勢いがあってお金もじゃんじゃん使えたし…」「タクシーつかまえるのに1万円札をふりあげて止めてさ…」などと、バブル世代の上司から“武勇伝トーク”を聞かされたことがある人も多いだろう。部下らにそんなトークをしたことがある上司の立場にある人もいるかもしれない。今年6月、エッセイ『バブル、盆に返らず』(光文社)を上梓した作家・甘糟りり子さんは、そんなバブル世代の人たちは「嫌われる」と言い切る。自らもバブルを謳歌した甘糟さんが、自戒を込めてその背景を分析する。

 * * *
 バブル世代はとにかく嫌われる。

 上司がバブル世代で最悪。よく聞くフレーズだ。いわく「勢いのいいことばかりいって実体が伴わない」「ノリで物事を判断するくせに自分は動こうとしない」「なんとかなると思っている。楽天的過ぎる」。

 すべて耳が痛い。そのまま自分に当てはまる。何かマイナスに見えることが起こった時、なんだかんだあってもきっと帳尻はあっちゃうだろうとつい思ってしまう。個人的な性質だけではなく、生きてきた時代が影響しているに違いない。

 何年か前だが、十歳年下のジェーン・スーさんと対談した際には私の能天気ぶりに驚かれた。ふと口をついて出た「今日より明日のほうが楽しくなるってずっと思ってきたからさ」という私の言葉に彼女は文字通りのけぞっていた。就職氷河期と呼ばれる世代のスーさんは若い頃、「明日はさらに悪くなるに違いない」という感覚だったそうだ。勝手に「楽しいこと好き」の仲間だと思っていた私は軽く落ち込み、そして、その時「そういわれてみれば、昨日より今日の方がしみったれているかも」とやっと気がついた。こういう鈍感なところが嫌われる原因なのだろうか。やっぱりイラッとしますか? しますよね。

バブル世代の人は社会に出るところからちやほやされていた

 バブル時代、それなりかそれ以上の学生が企業に就職するのはむずかしいことではなかった。それどころか有名企業側は優秀な学生の青田買いに必死で、内定となった学生を高級レストランやバーで接待し、あげくにリゾート施設や温泉宿に軟禁して他の企業に行かないように囲い込んでいた。

 ある有名企業に内定をした友人は、他の企業でも内定が出たので最初の方を断ったら、逆上した人事担当者に熱い日本茶をかけられたという。そこまでして囲い込まれた優秀なはずの学生も今は中年となり、自信満々で重要なポストに就き、いろいろな人をイラッとさせている。社会に出るところからちやほやされていたから、なんとなく傲慢さが身についているのだと思う。

 囲い込みエピソードはほとんど男子学生の話で、女子学生では聞いたことはない。女性が男性と同じ職種につけるのは高学歴かつ優秀なごく一部の学生だけだった。にも拘らず、この世代の女性にもある種の傲慢さが共通している。これは恋愛事情、男女関係によるところが大きい。あの頃流行ったアッシーメッシーミツグくんという言葉は、同時代の人でなくても耳にしたことがあるだろう。女性にはかしづくものという価値観の中、バブル世代の女性は無意味にちやほやされた。

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン