国内

舛添要一氏「岸田総裁なら“疑似政権交代”のような雰囲気出せる」

自民党OBに総裁選の行方を聞いた(写真は舛添要一氏)

自民党OBに総裁選の行方を聞いた(写真は舛添要一氏)

 9月17日に告示され、29日に投開票を迎える自民党総裁選。現職の国会議員、まして権力にしがみつく自民党議員には、選挙という目先の利益しか見えていない。そこで選ばれる総理・総裁は、果たしてその任を全うできる人材なのか。それを見抜けるのは、歴史を知る元自民党のベテラン議員OBしかいない。

 本誌・週刊ポストは、歴代の総理・総裁の成功と失敗を見てきた自民党OBの長老政治家17人に、歴史の証言者の視点から、有力とされる岸田文雄・前政調会長、河野太郎・規制改革相、高市早苗・前総務相の総裁候補3人の中で誰が最も総理・総裁にふさわしいかを誌上で“期日前投票”してもらい、その理由を聞いた。

 1位となったのは河野氏で、17人中6人が支持した。続く2位は岸田氏で、票を投じたのは5人。その理由に「誠実さ」を挙げるのは深谷隆司・元通産相だ。

「混乱期には経験を積み、人格が落ち着いた人、誠実な人が総理・総裁にふさわしい。岸田さんが外務大臣時代に私の事務所を訪問していただく約束があった。しかしその日、米国大統領選でトランプ氏の当選が確定。“日程はキャンセルだろうな”と思っていたら、岸田さんは約束の時間に来てくれた。この誠実さは評価すべきです」

 舛添要一・前東京都知事(元厚労相)は、「消去法で岸田を選ぶ」と言う。

「これまでの安倍-菅政権はコロナ対策にうまく対処できなかった。デフレ克服もアベノミクスには限界が見えている。だからこそ、今回の総裁選では別のアプローチを取る政権への交代が必要だが、河野太郎は尖りすぎ、高市早苗は外交、安保、天皇制など右に振れすぎている。政策的には石破茂が一番だと思うが、党内の調和が保てるのか不安がある。だから岸田。『新自由主義からの転換』を掲げる岸田が総理・総裁になれば自民党内で“疑似政権交代”のような雰囲気を出せる」

 小泉内閣の郵政民営化に反対して自民党を離党した自見庄三郎・元郵政相も同意見だ。

「岸田氏は公約で『小泉政権以来の新自由主義的な政策を転換する』と言った。それを評価する。岸田氏本人の総裁としての資質はたいしたことはないと思うが、その政策はぜひ進めてほしい」

※週刊ポスト2021年10月1日号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン