「羽毛製品などの場合は、長期間にわたって少量で暴露を続けるうちに、いつの間にか肺が線維化していることがあり、慢性型の症状が出ることが多いです。薬物治療の選択肢もありますが、飼っている鳥や羽毛製品を手放すなど、指定原因からの隔離だけで症状が快方に向かうことも少なくありません」(高橋医師)
東京でも一気に気温が下がり、衣替えの季節が近い。布団であれ衣類であれ、羽毛製品は保温性が高く、冬場に必須のものとされてきたが、近年は動物素材を使わないアニマルフリーの流れもあり、化学繊維で軽さと暖かさを両立させる製品を各メーカーが次々と開発・実用化して販売し、鎬を削っている。長年使い続けることにリスクがあるなら、冬が近づいたら羽毛やダウン、という発想にとらわれないほうがいいのかもしれない。
新型コロナによる肺炎ばかりが注目されているが、肺炎の原因はウイルスだけではないのだ。
※週刊ポスト2021年10月8日号