「顔たるみ銀座美容クリニック」と「湯田眼科美容クリニック」の統括院長を務める美容外科医の湯田竜司氏は、整形インフルエンサーたちの功績をこう語る。
「整形インフルエンサーの称えられるべき成果は、整形をカジュアル化し、『整形したことを引け目に感じなくていい』、『整形を選択しやすい』雰囲気を生み出したことです。それによって、整形をしてキレイになり、幸せになっている方が急増しているのです」
一方で、湯田氏は、美容整形があまりにカジュアル化したことを危惧してもいる。
「整形インフルエンサーの批判されるべき点は、『安易に』美容整形をして後悔している方を増やしていることです。彼女たちに追従して、『顔面課金』と称し、たくさんの美容整形を受ける方が急増しています。
『整形は自己満足。苦言を呈することは野暮』という価値観のお声が非常によく上がっております。確かにその通りだと思いつつも、反面、やりすぎにストップをかける人もいなくなっています」(湯田氏)
現在は、「整形によって、こんなにかわいくなれた。生活が楽しくなった」という情報にばかり注目が集まり、整形に当然つきまとうリスクへの周知が足りていないのではないか。それが現場に立つ人間の実感だ。
「美容整形はリスクを伴い、どんな容姿になりたいかという『希望』によって、リスクは全く異なります。『希望』ばかりを優先し、『リスク』を疎かにした結果、本来なら回避できたはずのリスクにぶち当たって、『こんなはずじゃなかった……』と悩み苦しみ、人前に出られなくなってしまった方もいらっしゃいます。
また、美容整形はすればするほどリスクが高い手術もやらざるをえなくなり、そのときはキレイになっても、やがて顔面崩壊のリスクがどんどん上がってしまうのです。月日が流れて顔が崩れ、『あのときに整形をやめておけばよかった』、『あのときに整形をストップしてくれたドクターの言う通りだった』と後悔している方が大勢いらっしゃるのは事実です」(湯田氏)