芸能

『ROOKIES』制作陣が語る 学園ドラマのセリフが持つ逆境を乗り越える力

『ROOKIES』の出演者(本誌写真部)

2008年、大ヒットした『ROOKIES』の名セリフについて制作陣が語る(撮影/女性セブン写真部)

 熱血教師とヤンキーとのかかわりを描いたドラマは、熱いセリフの連続で人気作が多い。それらの中でもとりわけ名言が多く、いまでも語り草になっているのが『ROOKIES』(2008年・TBS系)や『仰げば尊し』(2016年・TBS系)だ。これらの作品かで、どのようにして名セリフが誕生したのか、制作陣に聞いた。

「ヤンキーは時代を映す鏡」。そう語るのは『ROOKIES』や『仰げば尊し』の演出を手がけた平川雄一朗さん(49才)。

「今年は『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)内のドラマ『生徒が人生をやり直せる学校』の演出も務めました。実在する学校が舞台で、ドラマの中に不良で困った生徒たちが出てきますが、彼らこそ色々と問題を抱えているのです。劇中に、『彼らの元気は社会を反映している』というセリフがあるのですが、まさにその通りだと思いました。

 確かに『スクール・ウォーズ』(TBS系)がヒットした1980年代は日本の景気がよく、バブル経済を謳歌していました。でも、1990年代初頭にバブルが崩壊。日本の経済が下降すると、ヤンキーたちの勢いも変化していきます」(平川さん・以下同)

 ただ、フィクションであるドラマで描かれるヤンキーはどんな時代でも求められる。『ROOKIES』は、平成に入ってから20年ほど経っていたが、ヤンキーたちが野球で甲子園を目指すという設定が話題を呼び、映画まで製作される人気作となった。ドラマのヤンキーたちは、なぜこんなにも私たちを魅了するのか、平川さんは次のように分析する。

「ヤンキーというのは親子関係や勉強、スポーツなどで一度は落ちこぼれた人たちです。社会の誰もが悔しい思いをしているからこそ、彼らの気持ちはぼくらでも共感できるところが多い。『ROOKIES』が受け入れられたのは、いつの時代も人は人との出会いによって人生をやり直せる、熱血教師とヤンキーたちが出会って立ち直っていく話だから受け入れてもらえると思いながら制作していたからだと思います」

学園ドラマのセリフは、逆境を乗り越える力がある

 ドラマを作る上で何よりもこだわったのは、言葉をストレートに伝えることだった。

 脚本を担当した、いずみ吉紘(よしひろ)さん(52才)は、原作の至言を生かすようにしたという。

「『ROOKIES』の原作は、森田まさのりさんの、1990年代後半に大ヒットした同名の漫画(集英社)です。

 原作の力が強く、漫画の中のセリフも素晴らしい。ドラマ内のセリフも、ほとんどが原作にあるものです。ぼくたちが見ても、心に突き刺さり、響く言葉が多かったので、大切にドラマでも使わせていただきました」(いずみさん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン
モデルで女優のKoki,
《9頭身のラインがクッキリ》Koki,が撮影打ち上げの夜にタイトジーンズで“名残惜しげなハグ”…2027年公開の映画ではラウールと共演
NEWSポストセブン
前回は歓喜の中心にいた3人だが…
《2026年WBCで連覇を目指す侍ジャパン》山本由伸も佐々木朗希も大谷翔平も投げられない? 激闘を制したドジャースの日本人トリオに立ちはだかるいくつもの壁
週刊ポスト
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン