ライフ

社会問題化する「多剤処方」 その多くが医師のうっかりミスとの指摘も

色々な薬を併用する際の注意点は?(イメージ)

色々な薬を併用する際の注意点は?(イメージ)

 高齢化の進展とともに「多剤処方」が社会問題となっている。1レセプト(診療報酬明細書)あたりの平均使用薬剤数は直近のデータで3.7種類(院外処方)だが、75歳以上では、5種類以上処方された人が40.7%に上る(2020年6月、厚生労働省「社会医療診療行為別統計」)。しかし、色々な薬を併用するのは注意が必要だ。

「患者さんが持参した処方箋を端末に打ち込む際、あれっ? と思うことがよくあります。特に複数の薬が処方された患者さんの場合、薬局で患者さんが薬を手にする直前の段階で『併用禁忌』や『併用注意』の飲み合わせが判明するケースは決して珍しくない。

 これはその場で薬について1つずつ調べるというより、端末画面に出るアラートで気付くことができます。同じような警告は医師が用いる電子カルテでも表示されるはずですが……」

 そう語るのは、銀座薬局代表薬剤師の長澤育弘氏。病院薬剤師としての勤務経験もあり、これまで医師による「危ない処方」を目の当たりにしてきた。

 加齢により代謝機能が落ちる高齢者ほど、多剤処方による健康被害について注意しなければならないはずだ。だが、現実は逆で、持病などで病院通いが増える高齢者ほど多剤処方が行なわれ、リスクに晒されている。

 多剤処方の原因としては、医師の「漫然処方」や、その危険性に対する「知識不足」、複数の医療機関にまたがる処方薬の情報が患者と医師間で共有されない「コミュニケーション不足」などが指摘されている。

 そのようにして発生する多剤処方は様々な問題を引き起こす。とりわけ深刻なのが、新たに病気を引き起こしたり、悪化させたりする「危険な飲み合わせ」があることだ。

 製薬会社の添付文書(薬の使用上の注意や用法・用量、服用した際の効能、副作用などを記載した書面)には、「併用禁忌(併用しないこと)」、「併用注意(併用に注意すること)」の薬剤がそれぞれ書かれている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《安達祐実の新恋人》「半同棲カレ」はNHKの敏腕プロデューサー「ノリに乗ってる茶髪クリエイターの一人」関係者が明かした“出会いのきっかけ”
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
明治、大正、昭和とこの国が大きく様変わりする時代を生きた香淳皇后(写真/共同通信社)
『香淳皇后実録』に見当たらない“皇太子時代の上皇と美智子さまの結婚に反対”に関する記述 「あえて削除したと見えても仕方がない」の指摘、美智子さまに宮内庁が配慮か
週刊ポスト
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン
鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト