ビジネス

中古車でコスパ高い「終売モデル」5選 レクサスGS、ビーゴ、バレーノほか

トヨタの高級車ブランド、レクサスの初代モデル「レクサスGS」

トヨタの高級車ブランド、レクサスの初代モデル「レクサスGS」

 毎年、ベーシックカーから高級車まで次々と新モデルが登場する一方、人気を獲得できずひっそりと消えていくモデルも多数ある。数が命の自動車産業にとって、売れないクルマをラインアップに抱えるのはそれだけで大きな負担ゆえ、そうしたクルマが生産終了になるのはやむなしである。

 ディスコン(終売)になったクルマには、「時代の流行から外れてしまっていた」「技術的には面白いがネタとして乗るには価格が高すぎた」「そもそも顧客に商品づくりの企図が伝わらなかった」など、それぞれに売れなかった理由がある。

 だが、得てして空振りしたクルマは意欲作であったり大胆なコンセプトであったりするケースが多く、その観点から見ると中古で値段が下がった暁には魅力的と感じられるものも少なくない。あえて中古を狙ってみると、ありきたりのものに乗るよりずっと楽しめそうなクルマもある。

 そこで、自動車ジャーナリストの井元康一郎氏が「中古車で狙い目の終売モデル」を5台ピックアップした。

高性能を十分堪能できる/レクサスGS(トヨタ自動車)

 アメリカのために作られた高級車ブランド、レクサスをトヨタが日本に展開したのは2005年。そのトップバッターを務めたのはプレミアムラージクラスのレクサスGS。現在のレクサスのアイデンティティマスクである「スピンドルグリル」のデビュー作もまたGSだった。

前期型は100万円台の中古車も多い「レクサスGS」(トヨタ)

前期型は100万円台の中古車も多い「レクサスGS」(トヨタ)

 高級車マーケットにおけるブランドパワーのリトマス試験紙的な立ち位置のGSであったが、メルセデスベンツ「Eクラス」やBMW「5シリーズ」などの強豪がひしめくこのクラスでは常に劣勢を強いられ、存在感を発揮できないまま2020年8月、トヨタ「アリスト」名で販売されていた時代から通算して第4世代を最後に廃止された。

 人気を獲得できなかったGSだが、それまでのモデルがアメリカ市場でプレミアム失格の烙印を押されてきたのを跳ね返してやろうという開発陣の熱意は並々ならぬものがあり、第4世代は実はかなりの力作。性能、ドライブフィール、室内の広さ等々、堂々たるプレミアムEセグメントだった。

 そのGSの中古がおススメな理由は、レクサス車の中では値頃感が非常に高いこと。と言っても全部ではない。GSは2015年11月に大規模なデザイン変更を受けており、後期型はそれなりに人気があり、中古車市場でも比較的高値で取引されている。それに対して前期型は人気が薄く、価格も100万円台半ばが中心で十分に値ごなれしている。

 が、実はライドフィールが魅力的なのは断然前期型のほう。乗り心地は後期型に負けるが、GSを走りの良いクルマにしたいという開発陣の思いがピュアに投影されていて、ハンドリングはとても素直で敏捷性が高く、ドライビングが楽しい。改良ですべてが良い方向に変わるわけではないという典型的なケースと言える。

 純エンジン車、ハイブリッドなどグレードは多彩だが、その中で筆者が個人的におススメしたいのは、最高出力318psを発揮する3.5リットルV6エンジンを搭載したGS350。今日のプレミアムラージの基準に照らし合わせても十分なくらいバカっ速いうえにエンジンサウンドも快音。足は4WSを装備した「F-SPORT」が最もハイスペックだが、普通のモデルでも十分に高性能を堪能できるだろう。

 もうひとつの特色は、足まわりをはじめとする各部機構や塗装が経年劣化に非常に強く、故障も少ないこと。低年式でも相当手荒に乗られていたり改造を受けていたりといった個体でなければハズレを引く確率が低い。買う側にとっては安心材料となるだろう。

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見なえい恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン