国内

「この本、どこで買えますか?」中高生の読書離れの現実

本を読まない若い世代に読書の魅力を伝えている(TikTokより)

本を読まない若い世代に向けて、小説の魅力を伝える「けんご@小説紹介」氏(TikTokより)

 いまや読書は「マニアックな趣味」なのかもしれない。文化庁が発表した2018年度の「国語に関する世論調査」によると、なんと全国の16歳以上の男女のうち47.3%が1か月に1冊も本を読まないという。

 同様に、子供たちの読書量も少ない。学校の始業前に行われる「朝の読書」などの取り組みによって若者の読書離れは改善傾向にあるというデータもあるが、東京都教育委員会が昨年3月に発表した2019年度の「児童・生徒の読書状況調査」では、1か月に1冊も本を読まない「不読率」が小2、小5、中2、高2で計画目標値に届かなかった。本を読まない理由としては、「本を読むことに興味がない」「読みたい本がなかった」といった回答が目立ったそうだ。

 動画クリエイターの「けんご@小説紹介」氏は、TikTokを通して若者向けに小説を紹介している。26.5万人のフォロワーを抱える彼のTikTokアカウントには、10代の若者から「けんごさんのおかげで小説を読むようになった」という声がたくさん届くそうだ。あまり読書経験がない中高生と交流する中で、けんご氏が衝撃を受けた質問がある。

「『この本、どこで買えますか?』という質問がよく届きます。どうやら本に興味がない中高生にとって、本屋さんという存在は縁遠いもので、存在自体が記憶から抜けてしまっているみたいです。そういう質問が届いたときは、『本屋さんで買えますよ』と答えているので、傍から見ると少しシュールなやり取りかもしれません(笑)」(けんご氏)

 彼らは、なぜ読書に関心がないのだろうか?

「他のエンタメが充実しているからだと思います。動画サブスクの会員になれば、話題の映画やアニメが見放題ですし、人気の漫画だっていろいろあります。あまり本に触れた経験がない方々は、『活字=難しい』という苦手意識を抱えています。世の中に魅力的なエンタメがあふれている中で、わざわざ本を手に取る理由がないんだと思います」

関連記事

トピックス

大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン