舞台裏でも相棒を大事にする人柄が伝わってくる。そんな完璧な水谷にも、現場で見せる「弱点」があるという。和泉氏が明かす。
「極度の方向音痴なんですよ(笑)。実は僕も同じなんだけど、考え事をして周囲を見ずに移動しちゃうからなのか、現場を離れて用事をこなして戻る、みたいなことが二人とも苦手でねえ。どこで着替えて、どこで撮影して、みたいなのがわからなくなるんですよ。豊さんも常に誰かがエスコートしていました。『若い頃からそうなんですよ』と言ってましたから、これは豊さんの唯一の弱点じゃないでしょうか」
生身の俳優も演じる役柄も、皆が尊敬する完璧さのなかに、ひとつまみの人間性が見えるからこそ、より魅力的に輝くものなのだろう。