スポーツ

巨人・原監督 来季続投方針で不安視される“全権監督”ゆえの綻び

来季続投の方針が報じられている巨人・原辰徳監督だが…(時事通信フォト)

来季続投の方針が報じられている巨人・原辰徳監督だが…(時事通信フォト)

 原辰徳監督の続投は順当か、それとも──。今季3年契約の3年目を迎えていた巨人・原監督が来季続投する方向だと報じられている。しかし、チームは12日の阪神戦に敗れて、リーグ3連覇の可能性が消滅。7連敗と泥沼から抜け出せず、4位・広島とのゲーム差は5(10月12日現在。記録は以下同)となっている。プロ野球担当記者が話す。

「さすがに残り試合数から考えて可能性は低いと思いますが、もしBクラスに落ちることがあれば、原監督の電撃辞任もあり得ます。Aクラスに残れば続投で間違いないでしょう。

 原監督は優勝できなかった高橋由伸監督の後を受けて、2019年から連覇している。高橋監督が岡本和真という4番を育てた遺産を受け継いだ面もありますが、もしあのまま高橋監督だったら、巨人の連覇は本当にあったのか。今でこそ采配批判も増えていますが、原監督の実績は揺らぐものではない」(以下同)

 原監督は通算15年で9度のリーグ優勝、3度の日本一に輝いている。監督通算1000勝を超え、既にV9(9年連続日本一)という偉業を成し遂げた川上哲治監督の勝利数も上回っている。

「よく補強のおかげだとも言われますが、第2次政権の長嶋茂雄監督もFAや逆指名ドラフトなどで有り余る戦力を抱えながら、9年で優勝3回、日本一2回でした。一昨年からの連覇にしても、原監督以外の指揮官なら勝てたかと言えば、それはわからない。適材適所で選手を起用し、若手とベテランを融合させながら、チームを良い方向に導いた。それを1年優勝できないから辞めろと言うのは酷かもしれません。仮に阿部慎之助二軍監督が就任して勝てなければ、また辞めろと言われますし、『原監督に戻せ』という声も出てくるでしょう。それくらい巨人の監督は目先の1勝が求められる。

 ただ一方で、今まで見られなかった歪みも出ている。再三指摘されていますが、中田翔の獲得は経緯から選手への伝達の仕方、起用法まで全てにおいて独断でやり過ぎたのではないでしょうか。あの件からチームがおかしくなった印象もあります」

 チームメイトへ暴行を働き、日本ハムで無期限謹慎処分を受けていた中田が無償トレードで巨人に電撃移籍をしたのは8月20日。翌日には一軍登録され、翌々日にはスタメン出場でホームランを放った。これには他球団のファンのみならず、G党の中にも違和感を持った人が少なくなかったようだ。

「中田は打率1割台まで下がるほど打てなかった。それでも使われ続けたことで、ファンは原監督に疑問を持ち始めた。同じファーストの中島宏之が調子良かったから尚更です。中田と心中して、優勝を逃したと思われても仕方ないくらいのこだわりでした。裏を返せば、原監督に進言できる首脳陣がいなかった。ですから、続投するにしてもコーチ陣の入れ替えは必須ではないでしょうか。

 しかし、原監督はチームの編成権を持っている実質的な“全権監督”。だから、栗山英樹監督との電話1本で中田を独断で獲得できた。球団は、まず“全権監督”の委任をやめることから始めるべきかもしれません」

関連キーワード

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン