「ベストジーニスト2019」次世代部門に輝いた(時事通信フォト)

「ベストジーニスト2019」次世代部門に輝いた(時事通信フォト)

 思い返せば春のドラマで話題となった『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)の三ツ屋早良役も、印象に残る人物でした。頭の回転が速くて弁が立ち自信過剰。超特急でまくし立て理屈っぽく、関わりたくない女を見事に演じ切った石橋さんに対して、放送時は「嫌悪の声があふれる」などと伝えられましたが、つまりは「いかに上手に役に成りきったか」ということ。

 嫌な女に存分に変身した後、しかし負のイメージを引っ張るわけでもなくさらりとリセット。例えば今放送中のCM「サントリー天然水」の「雨あがる」篇では、早良とは対極にあるような透明感。大自然の中で流れるようなダンスを披露し体の動きを通して人に語りかけることができる希有な才能を見せてくれています。

 いわゆる美系とはやや違う個性派ですが、見れば見るほどクセになる要素がある。「さて、この人ならどうやるだろうか」と次の役が見てみたくなる。妙な人格の役柄ばかりやらせてみたくなる。

 等身大のご本人はかなりの苦労人です。4歳からクラシックバレエを始め中学卒業後15歳でボストン・カルガリーのバレエスクールへ留学。17歳でカナダの名門バレエ学校に入るがプロにはなれず。外国での武者修行を経てコンテンポラリーダンサー、そして役者へ。石橋凌と原田美枝子の娘という「七光り色」も感じさせない不思議。映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』では映画に初主演し、キネマ旬報紙の日本映画ベストワン評価やブルーリボン賞新人賞等多くの賞を獲得しました。

 周囲に引きずられない石橋さんのしなやかさと凛とした強さ、どんな役をやっても役に成りきり、しかし役にまみれずリセットする力は、多くの女性視聴者の共感を集めています。石橋版リカもまた一つの風変わりな憑依型であり、その次にまた何を見せてくれるかと期待させる石橋さん。女優道から目が離せません。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン