鈴木亮平と同様、海外展開を活発化させたい小栗旬

鈴木亮平と同様、海外展開を活発化させたい小栗旬

 それから地道に俳優の道を歩み続けた鈴木。愚直な役作りや迫真の演技が評価され、2018年にはNHK大河ドラマ『西郷どん』の主演の座を射止めた。

「この『西郷どん』に小栗さんは坂本龍馬役で出演。重要な役ですが、いわば脇役。初対面のときと立場が逆転しました。小栗さんは来年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で初主演が決まっていますが、大河では鈴木さんに先を越された。親友として喜びを感じる一方、鈴木さんの“下克上”に内心、焦りを感じていたかもしれません」(前出・芸能関係者)

渡辺謙が後継者に推したのは

 もう1つ、小栗が焦燥感に駆られる出来事が起きていた。それは、小栗にとってハリウッド初進出作となった、映画『ゴジラVSコング』(日本公開は今年7月)への出演だ。

「小栗さんが演じたのは、ハリウッド版『ゴジラ』シリーズで、前2作で渡辺謙さん(61才)が演じた博士の息子という重要な役でした。小栗さんは所属事務所のバックアップの下、語学留学を経て、英語力をつけて万全の態勢で挑んだ。ところが、蓋を開けてみると、登場シーンは大幅カット、白目をむいた顔をアップで抜かれるシーンでは劇場から失笑が漏れるなど、面白キャラ扱い。これには小栗さんも心を痛めていたようですよ」(映画配給会社関係者)

 小栗にとってハリウッド進出は悲願だった。小学校の卒業文集に「夢はハリウッド」と綴り、中学時代には「アメリカでの経験を生かして日本で制作者」になる、とより具体的なものになっていた。2019年の夏にはロサンゼルスに居を構え、家族と共に渡米。本格的にハリウッド俳優の仲間入りを果たすはずだったのだが……現実は甘くなかった。

「不自然に出番が少ないうえに、正直、浮いているところもあったと感じます。製作側が演技よりもアクションを重視する方針に変更したこともあり、いつもの小栗さんのような存在感はありません。小栗さんの意欲が空回りした印象です」(映画ライターの前田有一さん)

 一方の鈴木は東京外国語大学卒で英語とドイツ語を流暢に操るトリリンガル。彼も「海外での活躍」を望み、昨年はついにハリウッドへの足がかりを掴んだ。鈴木は渡辺謙が出演し、製作にもかかわるハリウッドとWOWOWの共同制作ドラマ『TOKYO VICE』への出演が内定していた。

「渡辺さんが以前から高く評価していた鈴木さんを猛プッシュして、出演が決まっていました。ただ、コロナの影響で同作の制作は延期。スケジュールが合わなくなり、鈴木さんのハリウッドデビューは“幻”となってしまったのです。しかし、渡辺さんが“ハリウッドの後継者”として鈴木さんを推していた、というのが垣間見えました」(前出・映画配給会社関係者)

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