ビジネス

進化する「スマート農業」 AIで生育データ管理、無人トラクターが走る

ドローンから送信される稲の生育データをスマホで閲覧する農家も

ドローンから送信される稲の生育データをスマホで閲覧する農家も(写真提供/オプティム)

 空にはドローンが舞い、地上では無人トラクターが滑走する───そんな田んぼ風景はすでに現実のものとなった。経験と勘だけが頼りの米作りから、今や観測データをベースとしたスマート農業が始まっている。

スマート化推進で米作りのお悩み解決

 水田の脇に立つ米農家が手にしているのは、スマートフォンやタブレット。ドローンから送信される稲の生育データをスマホのアプリ上で閲覧し、無人トラクターはタブレット上で動線を設計する。これらが「スマート農業」の一例だ。

 なにしろ、米作りのスマート化推進には、米農家の未来がかかっている。少子高齢化で農家の跡継ぎが不足し、耕作放棄地は増えるばかり。新潟・魚沼産コシヒカリを頂点とした米のピラミッド構造はすでに崩壊し、品種と産地に加え米自身の商品力に磨きをかけなければ売上は伸びない時代となった。

「農業従事者が減った分、生産者各々が管理する田んぼ面積は増え、米作が大規模化しています。今の農業経営で大切なのは、農作業の効率を上げ、付加価値を高めた米を作ること」

 こう語るのは、(株)オプティムの大澤淳氏。オプティムはソフトウェア開発が主力ながら、米の栽培から商品化まで担う異種事業を手掛けている。

 提携する米農家は、まずスマホで操作するドローンを無償貸与される。ドローンを使う大きなメリットは2つ。ひとつは、俯瞰での観測データをAIが搭載された管理システムで解析し、満遍なく生育度合をチェックできること。もうひとつは、肥料や農薬のピンポイント散布だ。従来の一般的な農薬散布ドローンは、飛翔位置を指定しても状況によって約2メートルの誤差が出たり、手動飛行で操縦者のスキルに左右されたり、と問題を抱えていた。

「誤差が大きいと、他人の圃場(ほじょう)など意図しない所に農薬が落ちる」(大澤氏)

関連記事

トピックス

大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者と亡くなった椋本舞子さん(共同通信/景徳鎮陶瓷大学ホームページより)
《佐賀・強盗殺人》ベトナム人の男が「オカネ出せ。財布ミセロ」自宅に押し入りナイフで切りつけ…日本語講師・椋本舞子さんを襲った“強い殺意” 生前は「英語も中国語も堪能」「海外の友達がいっぱい」
NEWSポストセブン
大日向開拓地のキャベツ畑を訪問された上皇ご夫妻(2024年8月、長野県軽井沢町)
美智子さま、葛藤の戦後80年の夏 上皇さまの体調不安で軽井沢でのご静養は微妙な状況に 大戦の記憶を刻んだ土地への祈りの旅も叶わぬ可能性も
女性セブン
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー役を務める稲垣吾郎
《ハリー・ポッター役が話題》稲垣吾郎、今も開花し続ける魅力 50代超えても“変わらないルックス”、嵐・櫻井とはワイン飲みながら“昔話”、共演者からは「人間じゃなくてバンパイア」評も出る
NEWSポストセブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
【新証言】「右手の“ククリナイフ”をタオルで隠し…」犯行数日前に見せた山下市郎容疑者の不審な行動と後輩への“オラつきエピソード”《浜松市・ガールズバー店員刺殺事件》
NEWSポストセブン
那須で静養された愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《「愛子天皇」に真っ向から“NO”》戦後の皇室が築いた象徴天皇制を否定する参政党が躍進、皇室典範改正の議論は「振り出しに戻りかねない」状況 
女性セブン
女優の真木よう子と、事実婚のパートナーである俳優・葛飾心(インスタグラムより)
《事実婚のパートナー》「全方向美少年〜」真木よう子、第2子の父親は16歳下俳優・葛飾心(26) 岩盤浴デートで“匂わせ”撮影のラブラブ過去
NEWSポストセブン
お気に入りの服を“鬼リピ”中の佳子さま(共同通信)
《佳子さまが“鬼リピ”されているファッション》御殿場でまた“水玉ワンピース”をご着用…「まさに等身大」と専門家が愛用ブランドを絶賛する理由
NEWSポストセブン
筑波大学で学生生活を送る悠仁さま(時事通信フォト)
【悠仁さま通学の筑波大学で異変】トイレ大改修計画の真相 発注規模は「3500万円未満」…大学は「在籍とは関係ない」と回答
NEWSポストセブン
2025年7月場所
名古屋場所「溜席の着物美人」がピンクワンピースで登場 「暑いですから…」「新会場はクーラーがよく効いている」 千秋楽は「ブルーの着物で観戦予定」と明かす
NEWSポストセブン