吉田:ある程度踏み込みながらも、信頼関係を作っていくというやり方をやってますね。
徳光:これで初めて知った西井(万理那)さんとか、上坂(すみれ)さん、中島(愛)さんとの話なんかホントに面白かったし。(この後も吉田豪のエピソードを語り続ける)。
吉田:ボクの話はもういいんですよ!
徳光:ホントに聞きたいんですよ!
大学の卒業試験でヤマが外れた徳光青年は…
吉田:徳光さんは一体何者なんだろうっていうことを知りたいんですよ、ボクは。
徳光:いや、僕はもう底が浅いよ。
吉田:だって好感度が欲しかったらここまでギャンブルの話をしないと思うんですよ。
徳光:そうですかねえ? いや、ちょっとお言葉を返すようですけど、アナウンサーっていう、テレビに映ってる人間で司会をするってなると、自然とそういったようなものをどこかで意識するんだろうなっていうことはありますけどね。でも、世間の好感度を欲しいと思ったことはない。やっぱり自分の思ったとおりに生きていきたいので。
というのも、僕は日本テレビのアナウンス部に運良く入っちゃったわけですよ。そしたら、そこにいるのはみんなエリートだったんですよね。僕はホントに小中高大を通してオール3なんですよ。
吉田:試験もヤマを張ってた人ですからね。
徳光:そう、よくご存じで。大学の卒業試験のときヤマを張ったら、ヤマが外れたんですよ。いいんですか? そういう話をして。
吉田:大丈夫ですよ。
徳光:日本テレビのアナウンサーになるのはもう決まってるんだけども、その試験の単位を取らないことには4月の卒業はできないわけです。だから必死になって勉強したわけです。120ページ出された範囲のうち、100ページやっておけば、可か良はもらえるだろう、そうすれば卒業できるわけじゃないですか。
そしたらものの見事に3題出た問題の中で前半の100ページから出たのが1問だけ。あとは残りの20ページから出たのではないかなと思うような、見たことも聞いたこともないような問題が出されたわけですよね。答案用紙にその答えが書けないわけですから、「実はこれこれこうで、日本テレビのアナウンサーとして就職が決まっている、ついてはこの社会心理学についても、早坂先生の授業をしっかり受けずに今日を迎えてしまったことは極めて失礼なことである。今回はヤマをかけてきましたが、そのヤマは実は見事に外れてしまいました」と。
ここからがもしかすると俺が普通の人間とちょっと違うところなのかもしれませんけど、「おすがりするつもりはございませんが、自分の心境を五七五にまとめさせていただきます。『山かけて 谷底落ちる ウサギかな』」って書いたわけですよ。そのウサギのような気持ちだという、まあそれはすがってるわけですよね。そのことでその先生が良をくれたんだよね。